ヒート

残り2秒、バトラーのサーカスショットで延長戦へ

プレーオフファーストラウンド、ヒートの3勝1敗で迎えたバックスとの第5戦はまたしても死闘となった。

試合を優位に進めていたのは後がないバックスだった。3点ビハインドで第2クォーターを迎えると、開始約5分にブルック・ロペスのフリースローで逆転に成功する。その後、ドリュー・ホリデーの堅実なゲームメークの下、ヤニス・アデトクンボのアリウープや3ポイントシュート攻勢でリードを広げ、前半を69-63で終えた。

後半に入り、開始から約1分半で0-7のランを受けて逆転を許すが、アデトクンボの得点で悪い流れを断ち切った。その後一進一退の攻防が続いたが、ディフェンスを引き締めたバックスはグレイソン・アレンの4点プレーも飛び出すなど攻守が噛み合い、11-0のランで一気に突き放した。そして、クリス・ミドルトンの2連続3ポイントシュートで締めたバックスが16点をリードして最終クォーターを迎えた。

だが、ここからヒートの逆襲が始まる。ディフェンスの強度を上げ、ホリデーに3ポイントシュートを許すまでの約3分半の間、失点を防ぐ。その間にバム・アデバヨの3点プレー、ケビン・ラブの3ポイントシュートなど8-0のランで点差を1桁に戻した。こうして流れをつかむと、アデトクンボのフリースローミスにも助けられたヒートはここからエースのジミー・バトラーがエンジン全開でアタックし続け、約2分半で12連続得点を挙げて同点に追いついた。その後、再びバックスを追いかける展開となり、2点ビハインドで迎えた残り2秒、サイドからのスローインのシチュエーションでヒートはゴール下へロブパスを送る。そのボールに反応したバトラーが空中でキャッチし、そのままシュートをねじ込んで土壇場で同点に追いついた。

こうしてギリギリで試合を振り出しに戻したヒートの勢いがオーバータイムでも上回り、アデバヨとバトラーの得点で先行する。残り2分にはアデバヨがファウルアウトになってしまったが、代わりに出場したコーディー・ゼラーがダンクをかましてその穴を埋めた。そして、128-126で迎えた残り5秒、ここ一番の集中力でシュートを打たせず、そのままタイムアップを迎えた。

ヒートはバトラーがゲームハイの42得点を挙げ、ビンセントが22得点アデバヨが20得点で続いた。一方、バックスはアデトクンボがチームハイの38得点に加え、20リバウンドとモンスターパフォーマンスを見せたが、フリースローは23本中10本の成功と悔やまれる結果となった。

第4戦に続き、劇的な逆転勝利を収めたヒートは4勝1敗でセカンドラウンドに駒を進めた。なお、第8シードが第1シードを破ったのは2012年にセブンティシクサーズがブルズを破って以来6度目の出来事となった。