ケリーとチルドレス、見ごたえ十分のマッチアップ
サンロッカーズ渋谷vs三遠ネオフェニックスのゲーム1。ライアン・ケリーが33得点、ジョシュ・チルドレスが34得点と両チームの大黒柱が点を取り合い、リードチェンジを繰り返す接戦となったが、終盤に突き放したSR渋谷が93-85のハイスコアリングゲームを制した。
序盤は田渡修人が2本の3ポイントシュートを沈め、ジョシュ・チルドレスとウィリアム・マクドナルドがインサイドアタックで得点を重ねた三遠が16-9と先行する。だが開始4分で田渡が、5分半を過ぎた場面でマクドナルドがそれぞれ2個目のファウルを犯し、ファウルトラブルに陥って失速した。
SR渋谷はこの機を逃さず、ライアン・ケリーを強調して反撃に転じる。ケリーは2本の3ポイントシュートを沈め、インサイドに速攻にとオールラウンドな活躍を見せる。このクォーターだけで17得点を稼ぎ出したケリーの活躍で、SR渋谷が28-23と逆転して第1クォーターを終えた。
ところがその後は連携面でのミスが増え、第2クォーターだけで6個のターンオーバーを犯すなどリズムを失う。チルドレスの個人技を止められず、前半終了間際に岡田慎吾の3ポイントシュートを浴びて40-40の同点に追い付かれた。
その後は追いかける展開が続くが、最終クォーター残り6分にロバート・サクレの3点プレーとなるバスケット・カウントで76-76の同点にすると、ここからSR渋谷はサクレがチルドレスをブロックし、広瀬健太がスティールからワンマン速攻を決めるなど、6連続得点を奪う。
そして残り1分25秒、チームファウルがすでに5に到達していた状態で、マクドナルドがボールのないところでファウルを犯しファウルアウトに。広瀬がこのフリースローを2本とも成功させ、直後のオフェンスでも3ポイントシュートを沈め、残り1分で9点差として勝負は決した。
「タイムアウトを使わずに選手が修正してくれた」
勝利したSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは「いくつか離せるタイミングでエラーが絡んでカムバックされた。チームのスタンダードをもっと上げたい」と課題を語るも、「第4クォーター、一瞬離されかけた時にタイムアウトを使わずに選手が修正してくれたというのはチームにとって大きい」と選手の修正力を称えた。
また「一人ではどうしようもなかったので、ライアンに言うのではなく、残りの選手でどうにかカバーしようとした。そういった意味で良いタイミングで広瀬、ベンドラメがヘルプに行った」と、チルドレスを封じて終盤に突き放したシーンを振り返った。
一方、敗れた三遠の藤田弘輝ヘッドコーチは「ディフェンスで遂行すべきところが今日はあまりできていなかった。笛はすごく軽かったんですけど、それでもひるまずボールプレッシャーをしっかり掛けて、コントロールできるファウルはしないように、良い時も悪い時も我慢できるチームになりたい」と試合を総括した。
三遠はマクドナルドが5ファウル、チルドレスが4ファウルに加え、5選手が3ファウルとファウルトラブルに陥った。そして三遠の倍以上となる28本ものフリースローを与えてしまい、それで繋がれたことも敗因となった。
「ディフェンスはインテンシティとエナジーをもってやることで、それがなくなってしまうと僕らじゃない。スマートにやることが大事」とファウルへのアジャストを課題に挙げた。
ディフェンスを重視する両チームだが、第1戦では点の取り合いとなった。ともにディフェンス面を修正することが予想される明日の第2戦では、点の取り合いから一転して、激しい守り合いが予想される。