バランスアタックを意識しつつ32得点、ペリカンズを撃破
サンダーはペリカンズとの激闘を制し、プレーイン・トーナメントでまず1勝を挙げた。シェイ・ギルジャス・アレクサンダーとブランドン・イングラム、両チームのエースによる一騎打ちという事前の予想通り、シェイは32得点、イングラムは30得点とオフェンスを牽引した。
48分間を通して点差が離れない試合展開で勝敗を分けたポイントはいくつかあったが、ペリカンズにとって不運だったのは第4クォーターの勝負どころでヨナス・バランチュナスが足を痛めたことだ。イングラムとバランチュナスのピック&ロールはペリカンズのオフェンスの重要な起点であり、リムプロテクターとして相手に与えるプレッシャーも大きいだけに、クラッチタイムで彼を欠くダメージは大きかった。
一方のサンダーは、エースのシェイを前半は温存する作戦がハマった。レギュラーシーズンで平均31.4得点を挙げた彼が、前半はシンプルにパスをさばいて7得点、後半は一転してアグレッシブに攻め、25得点を挙げた。
エースの重責を果たしたシェイは言う。「相手が僕を警戒してくるのは分かっていたから前半から大量得点とは考えてなくて、チームメートが自信を持ってオフェンスができるようなお膳立てをしたいと考えていた。そうなれば相手のディフェンスはそちらに警戒せざるを得ないし、それで僕も攻めやすくなる。チームメートが良いプレーをしてくれたおかげで、僕のプレーは楽になったよ」
ジョシュ・ギディーが31得点、ルグエンツ・ドートが27得点。このバランスアタックはペリカンズを大いに苦しめた。
ギディーは他にも9リバウンド10アシストとほぼトリプル・ダブルの活躍。「シェイが相手のディフェンスをよく見て、チーム全体で3ポイントシュートを狙っていった。今後チームが成長するにつれて、シェイへのマークはより厳しくなる。だから周りの選手たちが彼を助けるのが大事なんだ」とギディーは言う。
「シェイからボールを奪おうとする相手のディフェンスを見て、もっと攻撃的にやらなきゃと思った。得点でもパスでも、相手ディフェンスに決断を迫るようなプレーを作るのが僕の役割だった。シェイ自身は前半に相手ディフェンスに苦しんだけど、あきらめずに戦うことで後半には結果を出した。彼がリーグのベストプレーヤーの一人である理由だよ」
若いチームは試合をするたびに成長していく。ポストシーズンに得られる経験はさらに貴重なものだ。それでも、サンダーはスターターの最年長が24歳のシェイという極端に若いチームであっても、経験を積むためではなく勝つためにポストシーズンを戦っている。
シェイは言う。「シーズンを通じて勝ったり負けたりしてきたけど、今日は上手くいった。シーズンで学んできたのは、自分たちがコントロールできることだけをコントロールしようとすること。僕にとって大事なのはチームメートを信頼し、正しいプレーを続けていくこと。今日の試合を見ればその通りだけど、チームメートも同じことをやっているよ」