「82試合の内の1試合ではない」
12月10日にステイプルズ・センターで行われるヒート対レイカーズの一戦は、2000年代のNBAを盛り上げた2人の大スターにとって、最後の対戦になる。
今シーズン限りで現役引退を表明しているウェイドにとって、レブロン・ジェームズは同じ2003年ドラフト組(レブロンは1位、ウェイドは5位指名)であり、2010年から4年間ヒートで同じ釜の飯を食った間柄で、特別な関係にある親友だ。
12月8日のクリッパーズ戦後、ウェイドはレイカーズ戦について「レイカーズ戦は、いつだって他の試合とは異なる。観客の雰囲気も、エネルギーも異なる。今夜も素晴らしいチームと対戦したけれど、次に対戦するチームは自信に満ちたチーム。彼らには、信じられないプレーをする最高の選手がいる。勝つためには、身を粉にしてやらないといけない。素晴らしい試合になるのは間違いないね。僕は勝ちに行きたい。ただ、この試合は普段とは異なるものになる」と語った。そして、盟友との最後の対戦について、笑顔を交えながら次のように続けた。
「楽しみにしているんだ。レイカーズ戦は楽しみ。もちろん、レブロンもいるし、僕たちにとって最後のマッチアップになる。だから、普段の試合とは違って、より特別なものになる。これが82試合のうちの1試合とは言わない。僕にとっては、そうではない。親友の一人と対戦するだけではなくて、史上最高の選手との最後の対戦になる。チームとしては勝ちたい。ただ、この機会を味わいたい」
レブロンも、この試合が親友との最後の対戦になることを理解している。グリズリーズ戦後「うれしい面と、複雑な面が共存している。2003年の同期、それに自分にとって兄弟同然の彼と同じフロアに立てることはうれしい。残念なのは、これが最後になるということ」と、淡々とコメントした。
2人はこれまでレギュラーシーズン30試合で対戦し、レブロンが平均28.5得点、5.6リバウンド、7.3アシスト、ウェイドが平均25.8得点、4.9リバウンド、5.8アシストを記録している。試合展開にもよるだろうが、もし早々に勝負が決まれば、周囲が空気を読み、レブロン対ウェイドの1対1が見られるかもしれない。もしくは、接戦になって勝負どころで2人の真剣勝負、という流れになる可能性もありえるだろう。
どういう結末を迎えるにせよ、試合が終われば2人は現役選手として健闘を称え合い、親友として別れを惜しむはずだ。ウェイドの『ラストダンス』の中でも特別な試合になることだけは間違いない。公式戦でのラスト・マッチアップは必見だ。