ステフィン・カリー

守備のヒーローはケボン・ルーニー「ウチを倒すのはかなり難しい」

大の苦手だったアウェーで2連勝したウォリアーズは、ホームに戻りセブンティシクサーズと対戦した。46得点9リバウンド8アシストと暴れ回るジョエル・エンビードを止められず、第3クォーター終了時点で79-88とビハインドを背負ったが、第4クォーターの勝負どころで攻守が噛み合い、逆転勝利を手にしている。

第4クォーターは41-24と圧倒。ジョーダン・プールがフィールドゴール9本中6本、3ポイントシュート2本を成功させて19得点をこの12分間に叩き出した。それでもオフェンスではステフィン・カリー、ディフェンスではケボン・ルーニーの働きがあったからこそ、ウォリアーズは勝負どころでシクサーズを圧倒できた。

第3クォーター終了時点で30分出場していたエンビードが一度ベンチに下がり、戻って来たのは残り8分半の場面。この3分半で点差は8から2まで詰まっていたが、エンビードはすぐさまフリースローを奪い、マークするドレイモンド・グリーンの上からミドルジャンパーを沈め、タイリース・マクシーとのピック&ロールからレイアップに持ち込みバスケット・カウントをもぎ取る。

ここでウォリアーズはエンビードのマークをグリーンからルーニーに変更。そのルーニーも2回連続でエンビードのアタックを止められなかったが、臆することなくフィジカルなディフェンスを仕掛け続けた。残り4分半でエンビードはセカンドチャンスからダンクを決めたのだが、この頃からルーニーとの押し合いへし合いに疲れ、自分で仕掛ける積極性を失っていく。

自分で点を取り続けていただけに、パスへと切り替える判断自体は悪くないのだが、ワイドオープンを作り出しても味方が決めてくれない。そして、パス優先にエンビードの意識が変わったのは、ルーニーの愚直なハードマークが効いてもいたはずだ。

試合後のルーニーは「ディフェンスが上手くやれて、チームがまとまって戦えている。オフェンス面でもみんな相性が良くて、ボールを大事にしている。それだけ条件が揃っているウチを倒すのはかなり難しいよね。残りの試合もそうやって戦っていきたい」と言う。

そしてカリーは、勝負どころで自らが仕掛け、相手の注意を引き付けてはパスをさばく絶妙な司令塔ぶりを発揮。第4クォーターに記録したアシストは1つのみだが、自らのアクションを起点にシクサーズ守備陣を翻弄し、プールのシュートタッチの良さを最大限に生かした。第4クォーターのウォリアーズのフィールドゴール成功率は65%、アシスト5でターンオーバーはなし。注目は大量得点のプールに集まるが、それを演出したのは紛れもなくカリーだった。

カリーは試合後、チームがここに来て調子を上げた理由をこう語る。「大事なのはどこにフォーカスするのか。順位だったりライバルとの競争だったり、シーズン終盤に勢いに乗ることだったり、プレーオフへ向けた準備だったり、僕らの中でもそれぞれ視点は違うけど、結局は正しい姿勢で試合に取り組めば、オフェンスでもディフェンスでも自ずと良い結果が出るんだと思う」

「トップ6でレギュラーシーズンを終えられるかどうか、そこで僕らにできるのは自分たちの試合でしっかり勝つことだ。プレーイン・トーナメントの一発勝負のリスクは避けたいし、その期間はプレーオフの準備に使いたい」