ベンドラメ礼生

浜中ヘッドコーチ「ベンドラメを信頼できる部分は大きいです」

3月24日、サンロッカーズ渋谷はホームで新潟アルビレックスBBと対戦。お互いに強みを生かして得点を奪い合うハイスコアリングゲームが繰り広げられた中、終盤の決定力で上回ったSR渋谷が97-93で勝利した。

試合後、SR渋谷の浜中謙ヘッドコーチは、セカンドチャンスから16点を記録した選手たちを称賛した。「オフェンスリバウンドは自分たちの代名詞です。(コフィ)コーバーン選手がゴール下にいる中でも、(ケビン)ジョーンズを中心に他の選手もセカンドチャンスに絡んでくれました。チームでやるべきことをこなした結果の得点だと思うので、評価できると思います」

チーム最長となる29分12秒のプレータイムで、13得点10アシストのダブル・ダブルを達成したベンドラメ礼生も、指揮官と同様にリバウンドを勝因に挙げた。「試合を通して、インサイドのコーバーン選手のところがポイントでした。結果的には彼に34点を奪われて、すごく難しい試合となりましたが、オフェンスでしっかり決め返すこともできていました。リバウンドも彼には6つしか取られていないので、チーム全員がリバウンドに対して意識高く臨んだ結果だと思います」

SR渋谷は直近の4試合で3勝を挙げており、いずれも1ポゼッションを争う大接戦を制している。この日も、終盤にリードチェンジを繰り返す展開となったが、勝負どころでベンドラメが連続得点に成功したことで抜け出し、勝ち星を手にした。

勝利の立役者となったベンドラメは、第3クォーターまで4得点9アシストと、オフェンスの起点となって味方を生かすプレーに注力していた。しかし、最終クォーターに入ると、「試合を通してディフェンスにズレがあることを感じていた」と話すように、SR渋谷のピック&ロールに対して下がって守るコーバーンの前でシュートを連発し、9得点をマーク。ベンドラメの状況判断能力と勝負強さが光ったプレーとなった。「勝負どころや第4クォーターの大事な場面では、どのオフェンスが効率良くシュートまで行けるかを考えています。今日は、あの(ピック&ロール)オフェンスが僕の中で良い選択肢でした。結果としてシュートが入ったので良かったと思います」

ベンドラメの活躍に浜中ヘッドコーチもこう話している。「彼は責任感の強い人間です。シーズンに入った当初からチームのために練習に取り組んでいます。目に見える形でああいったビッグショットを今日出してくれたのは、僕としてもうれしいです」

また、昨年末にヘッドコーチに就任したばかりの浜中ヘッドコーチにとって、ベンドラメは欠かせない存在となっているという。「新体制になった時、ベンドラメに『ダメなものはダメ、良いものは良いとはっきり言ってほしい』と話してくれました。新米のヘッドコーチである僕にとって、すごくやりやすい環境です。僕が言葉足らずな時でも、彼がしっかり僕の意志をくみ取ってチームに共有してくれます。戦術以外の部分でも、彼を信頼できる部分は大きいです」

絶大な信頼を寄せられているベンドラメは、指揮官とともに作り上げているチームの現状について次のように語った。「チャンピオンシップに向けての危機感がチームを一つにしていると思います。チームの雰囲気も良いですし、良い状態で試合に臨めています。これを保ち続けることは、精神的な体力も必要なので難しいことですが、全員で頑張って乗り越えたいです」

選手それぞれが崖っぷち精神を持つことでチームは強くなり、接戦をモノにする力強さも兼ね備えつつある。「危機感を日ごろから全員に感じさせる、意識させることが大事」と話すベンドラメを中心に一つとなって戦うことができれば、チャンピオンシップ出場を手繰り寄せられるはずだ。