ショーン・リビングストン

写真=Getty Images

「あきらめずキャリアを続けられたことを誇りに思う」

スリーピート(3連覇)を目標に掲げる王者ウォリアーズは、2018-19シーズン序盤から主力の負傷者に苦しんでいる。その中でチームを陰ながら支えているベテランの一人、ショーン・リビングストンが、現役引退時期、そしてキャリアを左右する大ケガからの復帰について言及した。

リビングストンは、『Basketball Insiders』に「1年先か、数年先かは分からないけれど、そう遠くない時期になるだろうね。それは間違いない」と引退時期について語った。

高校時代から全米で注目されたリビングストンは、大学には進学せず、2004年のNBAドラフトにエントリーし、全体4位でクリッパーズから指名された。プロでも順調にキャリアを積み重ねていったリビングストンだったが、2007年2月26日のボブキャッツ(現ホーネッツ)戦で左ひざ前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靱帯を断裂する重傷を負い、選手生命の危機を迎えた。大手術を経て、歩行方法の再習得から始めなければならなかったほど長く辛いリハビリを経て、2008-09シーズンに復帰した。

それからヒート、サンダー、ウィザーズ、ボブキャッツ、バックス、キャバリアーズ、ウィザーズ、ネッツを渡り歩くジャーニーマンとなったが、ネッツ時代の2013-14シーズンにキャリアハイとなる76試合(先発54試合)でプレーできるまでに回復し、同シーズンの活躍が認められ、2014年のオフにウォリアーズと契約した。

ウォリアーズでは、アンドレ・イグダーラとともにセカンドユニットの柱を務め、ここ4年で3回の優勝に貢献している。3ポイントシュート全盛の時代において、リビングストンはロングシュートに頼らないレアな存在だ。今シーズンも1試合平均0.1本しか3ポイントシュートを放っていないが、ミドルシュートの精度は高く、平均16.5分の出場で4.8得点を記録するなど、与えられた役割で結果を残し、指揮官スティーブ・カーからの信頼も厚い。

一生を左右しかねなかった大ケガを経て、リビングストンは考え方をあらためたという。「貢献できるポジションにつくこと、それが個人的な目標だった。自分の目標は、成長し続けることと、より良いチームでプレーすることだった。実際に、より強いチームでプレーできるようになった。勝てるチームで貢献できるようになった。チームから求められたのだから、正しいプレーができていると感じたよ」

選手として再生したリビングストンは、引退後にプロキャリアを振り返った時に何を思うかを聞かれ、こう答えている。

「とにかくキャリアを続けられたことを誇りに思うだろうね。自分自身をあきらめなかった」

「その部分は、自分にとって頼みの綱でもある。性格の一部というのかな。何よりも大事なのは今の自分であって、過去の自分がどういう選手だったかではないから。今の自分が人としてどうなのかが大事。コートで自分にできることよりも、そっちの方が重要なんだ」