SR渋谷

終盤に逆転を許すも、そこで屈しない価値ある勝利

中断期間空け、サンロッカーズ渋谷がホームに富山グラウジーズを迎えた一戦。SR渋谷は前半に最大22点のリードを奪うも、富山の猛攻を凌げずに終盤に逆転を許す。それでも、ここ一番でケビン・ジョーンズがビッグプレーを見せて93-91で勝利し、中断期間前から続く連勝を4に伸ばした。

ジェームズ・マイケル・マカドゥが速攻からシュートファウルを誘発し、フリースローで先取点を挙げたように、SR渋谷はスミスとマッチアップするマカドゥのスピードの利を生かして先行する。素早いパス回しから3ポイントシュートも高確率で沈め、ディフェンスではスミスを狙うインサイドへのパスを遮断し、そこからマカドゥを筆頭としたトランジションへと繋げて効率良く得点を重ねていった。こうして、第1クォーターで30-15のビッグクォーターを作ると、西野曜が自身のスティールからフェイダウェイシュートを沈め、47-25とリードを22点にまで広げて、オフィシャルタイムアウトを迎えた。

だが、富山がここから驚異の粘りを発揮していく。高岡大輔ヘッドコーチ代行が「前半は自分たちの悪いところがモロに出て、18点くらいターンオーバーから失点しました。僕たちが目指しているのは動きの中でスミス選手を生かすバスケット。他の選手が空いているにもかかわらず、スミス選手にディフェンスが群がっているのにパスを出していた」と振り返ったように、強みを生かし切れなかったことでスミスをベンチに下げ、スモールラインナップで対抗した。ゲームハイの32得点を挙げたマイルズ・ヘソン、27得点のノヴァー・ガドソンらタイプの違う外国籍選手のアタックを軸に反撃し、前半を15点差に戻して終えた。

富山は後半も2人を中心に得点を重ねつつ、「ディフェンスから得点に繋げようと振り切った」と高岡ヘッドコーチ代行が語ったように、飴谷由毅と野﨑由之を筆頭とした前線からの激しいプレッシャーディフェンスが機能。ターンオーバーを確実に得点に繋げた富山は、序盤に連続3ポイントシュートを食らって再び20点のビハインドを背負った場面もあったが、12-0のランも飛び出しファイ・サンバのミドルシュートで締めて5点差に迫って最終クォーターを迎えた。

その後、立て直したSR渋谷がオフィシャルタイムアウト時点で8点をリードと主導権を渡さずにいたが、フリースローを決め切れずにセカンドチャンスポイントを許すなど、ジワジワと詰め寄られていく。そして、2点リードで迎えた残り22秒、ガドソンに3ポイントシュートを決められ、ついに逆転された。それでも、最後のタイムアウトを使ったSR渋谷はジョーンズのポストプレーをデザインし、ジョーンズがしっかりとゴール下を決めて再逆転に成功する。その後、富山の攻撃を凌ぎ、ベンドラメ礼生のフリースローで2点をリードすると、同点を狙ったガドソンのレイアップをジョーンズがブロックし、熱戦に終止符を打った。