「サイズがあってジャンパーを決め、ペイント内でも強くプレーできる」
現在、マジックは27勝38敗とリーグ下位の成績に苦しんでいる。だだ、24歳のマーケル・フルツが中心メンバーの中では最年長と若手で構成されるロスターは大きな伸び代があり、来シーズン以降の躍進が期待できる。
今のマジックにはリーグ屈指の若手ウイングへと成長している21歳のフランツ・バグナー(平均18.8得点、3.9リバウンド、3.4アシスト)に、マジックで居場所を得た218cmの走れるビッグマンである23歳のボル・ボル(平均9.7得点、6.0リバウンド)など楽しみなメンバーが多い。中でも2022年ドラフト全体1位指名の新人パオロ・バンケロは、NBAを代表するオールラウンダーになれる大きな可能性を秘めている逸材だ。
20歳のバンケロは、ここまで58試合に出場し平均20.0得点、6.6リバウンド、3.6アシストを記録。マジックのエースとして現在27勝38敗と、過去2シーズンの勝ち星(一昨年の21勝、昨シーズンの22勝)を上回る立役者となっている。類稀な才能を持つバンケロを称賛するNBAプレーヤーは多く、現地3月5日にマジックと対戦したトレイルブレイザーズのデイミアン・リラードもその1人だ。
ブレイザーズは41得点9リバウンド6アシストを挙げたリラードの活躍により、122-119の接戦をモノにした。「俺たちはこの試合を勝たないといけなかった。レギュラーシーズンは残り19試合で順位争いは熾烈であり、みんな危機感を持って戦っている。1つ負けると、順位が3つ落ちることもあり得る。数試合勝つと、順位を一気に上げることができるんだ」
このように勝利の重要性を語ったリラードだが、続けてこの試合で26得点5リバウンドのバンケロを次のように称えた。「彼は全体1位指名で得点能力を持っている。サイズがあって、ジャンパーを決め、ペイント内でも強くプレーできる。優れたアスリートでボールハンドリングもうまい。彼は試合を支配できる選手だ」
さらにリラードは、次のようにNBAの将来を担えるバンケロにエールを送っている。「彼はこれからも良くなっていく。自分の力を使って他の選手をより良くする方法を理解していると思う。彼はまだ1年目で成長は続いていく。彼が1位指名された理由は明らかで、本当に良いシーズンを送っているね」
マジックにはまだプレーイン・トーナメントの最後の切符であるカンファレンス10位の可能性がわずかに残っている。このミラクルを起こすためには、リラードも絶賛するバンケロが、自身だけでなくチーム全体をもステップアップさせることが必要だ。