レブロン・ジェームズ

プレーオフに進めたとしても、ケミストリー構築に大幅な遅れ

レイカーズはいまだ勝率5割に届いていないが、トレードデッドラインの補強が効いてチームの雰囲気は上向き、直近の3試合ではペリカンズ、ウォリアーズ、マーベリックスを相手に3連勝と、ようやく浮上の兆しを見せていた。

西カンファレンスの12位とプレーイン・トーナメント圏外ではあるが、プレーオフのストレートインとなる6位マブスとのゲーム差は2.5。ここに多くのチームがひしめく大混戦で、追い掛ける立場のレイカーズとしては戦力が噛み合えば挽回は不可能ではないとの期待が持てる状況だ。

ところが、そんな希望を打ち砕くようなアクシデントがまたも起きた。今回はレブロン・ジェームズの負傷離脱だ。現地2月26日のマブス戦、勝ちはしたもののレブロンは第3クォーター終盤にドライブを仕掛けた際に右足を痛めた。第4クォーターもプレーを続け、37分の出場で26得点8リバウンド3アシストを記録したが、試合終了後には足をひきずりながらロッカールームに引き上げている。

チームはケガの詳細を明かしておらず、次のグリズリーズ戦を欠場することのみ発表しているが、『The Athletic』はレブロンが複数の診断を要する状態で、数週間の欠場になる見込みだと報じている。同じ状況はシーズン序盤のアンソニー・デイビスに起きており、この時は5週間と戦線離脱が長引いた。

レブロンはNBAオールスター期間中に「残るレギュラーシーズンは、僕のキャリアの中で最も重要な23試合になる」と語ったが、彼自身がその多くの試合で不在となりそうだ。チームの半数が入れ替わっただけにケミストリーも新たに構築する必要があり、レギュラーシーズンはあと6週間しか残っていない。

今のチームの雰囲気の良さを考えればレブロン抜きでも順位を上げられるかもしれないが、プレーオフを勝ち上がるためのケミストリー構築は大幅に遅れることになる。新戦力のディアンジェロ・ラッセルが足首の捻挫で数試合を欠場するだけでもマイナスは大きいのに、レブロンが数週間離脱するとなれば、ダメージは計り知れない。

トロイ・ブラウンJr.にロニー・ウォーカー四世、そして加入当初に比べてプレータイムの減っている八村塁にとっては自分の力を試すチャンスとなる。ただ、レブロンの穴を埋めるのは不可能だ。38歳の『生ける伝説』抜きにして、レイカーズがプレーオフで満足のいく結果を残せることはない。

コートに立っている限り、レブロンは年齢による衰えを感じさせない。しかし、最初の15シーズンで71試合にしか欠場しなかった彼は、レイカーズでの5シーズンですでに99試合を欠場している。