ジョシュ・ホーキンソン

「恩返しの気持ちで帰化を決断しました」

ワールドカップ予選Window6において最も注目を集める新戦力は、帰化選手として代表デビューが予想される信州ブレイブウォリアーズのジョシュ・ホーキンソンだ。NCAAの中でも有数の伝統を誇るPAC-12カンファレンスのワシントン州立大で2年生からチームの主軸を担い、4年生では平均15.5得点、10.2リバウンド、2.5アシストを記録。そして、プロバスケ選手のキャリアを2017-18シーズンにファイティングイーグルス名古屋でスタートすると、2020-21シーズンからは信州に在籍し、プロ選手として日本一筋のキャリアを歩んでいる。

ホーキンソンの持ち味は208cmのサイズを生かしたゴール下でのプレーに加え、トランジションにも対応できる走力と3ポイントシュートにも長けたところだ。アップテンポな展開を好み、5アウトからどのポジションの選手でも長距離砲を狙うことを求めるトム・ホーバスの戦術との相性は抜群だ。また、年々、Bリーグに在籍する外国籍選手のレベルが上がる中、今シーズンはここまで平均18.3得点、9.2リバウンドとビッグマンとしてリーグ屈指の成績を残している点も頼もしい。

現在、ホーキンソンは27歳とこれからキャリアの全盛期を迎える年齢だ。それだけに彼の代表参加は8月のワールドカップだけでなく、代表の中長期的な視点においても大きなプラスとなる。日本でプレーを開始する年齢が違うなど様々な要因はあるが、他の多くの帰化選手が30代のベテランの域に入ってから日本国籍を取得する中、20代の内に帰化を果たすのは珍しい。早くして人生の大きな転機となる決断をした背景には、次のような真摯な気持ちがある。

「最初、日本に来た時はカルチャーショックを受けたりして順応するのに時間がかかりました。でも当時の周りの方々が自分をサポートしてくれ、日本の文化や様々な良いところを教えてくれたことでだんだんと日本が好きになっていきました。そして、日本でのプレーも長くなって、お世話になった方々に恩返しがしたいと考えた時、帰化のことを教えてもらいました。もっと日本のバスケットボールを盛り上げたい気持ちもありましたし、何よりも恩返しの気持ちで帰化を決断しました」

ジョシュ・ホーキンソン

「ホーバスコーチが今やっているバスケットは、自分のプレースタイルにすごく合う」

今回の合宿に入る前まで、ホーバスヘッドコーチとは面識がなかったというホーキンソンだが、しっかりと予習をしたことでスタイルへの順応もスムーズにできていると自信を見せる。

「日本代表でプレーすることは一つの目標でもあったので、ホーバスコーチが率いていた時の女子代表の試合を見たり、インタビューの記事を読んだり、男子代表の過去の試合もチェックしていました。この合宿に合流するにあたって、どんなバスケットを目指しているか、どんな特徴、どんな人なのかは頭に入っていたので、すんなりと適応できたと思います」

ホーバスヘッドコーチの目指すスタイルをしっかりと理解しているからこそ、代表の戦術は自身の多彩な能力を生かせるもので相性が良いと大きな手応えを得ている。

「特に3ポイントシュートを打てて、速い展開にも対応して走れるので、ホーバスコーチが今やっているバスケットは自分のプレースタイルにすごく合うなと思っています。チームにすごく良いシューターが多いので、パスで彼らを生かせることもポイントかなと思います。自分にマークが寄れば、パスをして味方に確率の良いシュートを打たせるという点で貢献できます」

そして、「コーチは僕の強みをしっかりと理解してくれています」と指揮官と円滑なコミュニケーションを取れていると語る。ホーバスヘッドコーチの志向するスモールバスケットの破壊力をさらに高めてくれる起爆剤としてホーキンソンがどんなプレーを見せてくれるのかは、今回のWindowにおける一番の見どころとなる。