ドリュー・ホリデー

10年ぶりのオールスター選出に「光栄だし幸せだ」

東カンファレンスの頂上決戦、バックスとセルティックスの試合はオーバータイムにもつれる大接戦に。バックスは最大14点のビハインドをひっくり返し、セルティックスは第4クォーター残り3秒でサム・ハウザーがタフスリーを沈めて土壇場で追い付いた。それでも、この日のセルティックスはジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンを始め主力の多くが欠場しており、ドリュー・ホリデーが40得点、ヤニス・アデトクンボが36得点を記録したバックスが131-125と競り勝っている。

ホリデーは第3クォーターを締めくくるハーフコートショットを含む3ポイントシュート8本を成功させての40得点、7アシストも記録。それでも「僕の関心事は勝つかどうかで、勝てれば何だっていいんだ。僕が自分のスタッツで唯一気にするのはターンオーバーで、今日は5つもあるから気が重いよ」と彼は言い、こう続けた。

「ポイントガードはそういうポジションなんだ。ポイントガードをやっていれば子供でも『ターンオーバーはするな』と教わる。ボールを大事にして、シュートを打たせるのが役割だからね。今日はシュートの調子が良かったから打ち続けたけど、それでも自分が得点することが重要だとは思わない。ディフェンスを頑張って、あとは勝てばいいのさ」

そのホリデーはオーバータイムに入って7得点、さらには2スティールを記録。自分の得点には素っ気ない彼も、ディフェンスにはプライドを持っており、勝負どころで守備のクラッチプレーができたことには満足しているようだ。

どんなに強いチームでも気の抜けた戦いをする時はある。バックスにとって今回がそんな試合だったが、あるところで踏み留まり、押し返す強さがあった。何がきっかけだったのかと問われたホリデーはこう答えている。「あまり会話はなかったけど、僕たちはチームにとって何が必要なのか分かっていた。あの状況でテンションが上がりすぎたり、落ちてしまう選手はいなくて、みんな冷静に試合に向き合っていた。必ずしも常に集中できているとは言わないけど、落ち着いて自分たちのベストを出そうとしていたと思う」

そのホリデーはNBAオールスターに、実に10年ぶりに選出された。前回はセブンティシクサーズ時代、キャリア4年目の選出。コーチからの得票が多かったことが彼の価値を示している。「コーチたちは僕に何かを見いだしてくれたんだろうね。10年ぶりの選出は光栄だし幸せだ」と語る彼について、アデトクンボは「僕は『ドリューはオールスターだ』って毎年言ってるんだけどね」と言い、こう続けた。

「彼と一緒にプレーできることにワクワクしているよ。僕らはバックスというファミリーを代表してオールスターに出場する。この組織、ミルウォーキーの街を、できる限り最高の形で僕らが表現したいと思っている」

バックスの『ビッグ3』のもう一人、クリス・ミドルトンはケガで出遅れていたが、ようやく本来のリズムを取り戻しつつある。このセルティックス戦ではベンチからの出場で16得点11リバウンドを記録。途中まで主力抜きのセルティックスに圧倒されたバックスを、シックスマンの彼が支えたことで勝利を呼び込んだ。チームはこれで連勝を11に伸ばしたが、ミドルトンは「誰も連勝は気にしていない。目の前の試合に集中していて、オールスター前にあと1試合(ブルズ戦)あるから、そこまでは勝っておきたいと思うぐらいかな」と言う。

「ただ、チームの調子がすごく良いとは感じている。僕はコンディションを取り戻してより長い時間プレーできるようになったし、ジョー(イングルス)が来てジェイ(クラウダー)も加わる。ボビー(ポーティス)も忘れちゃいけないね。僕らはまだまだ強くなれる。だから連勝のことは気にしていないんだ」

連勝については、ホリデーもこう語っている。「何試合続いているのか知らなかったよ。勝てばそれでいいから、それが何連勝かは気にしていない」