ショーン・マークス

トレードで獲得した新戦力に期待「彼らの活躍が楽しみだ」

ネッツは今回のトレードデッドライン直前にカイリー・アービングからトレードを要求され、ケビン・デュラントも手放さざるを得なくなった。この強力デュオを中心とし、周囲を優れた『脇役』でサポートするチームが機能し始め、NBA優勝へと意欲的なチャレンジをするはずだったネッツは、このタイミングで全面的な再編を余儀なくされた。

怒涛の数日間を終えて、ネッツのチーム編成を取り仕切るショーン・マークスGMが会見に応じた。ここ数年のデュラントとカイリー体制を「上手くいかなかった。希望と信念の下でチームの可能性を最大限に引き出し、優勝するためにできる限りのことをしてきたが、自分たちが到達できると考えた場所まで行けなかった」と振り返る。

トラブルメーカーで契約延長を見送っていたカイリーはともかく、デュラントのトレードは痛手でしかない。「あれだけ偉大な選手をトレードする決断は非常に難しい。あれだけ多くの選手とのトレードとなったから、なおさら難しかった。それでもケビンを成功が期待できるチームに送り出し、我々はそれに見合った対価を得られた。チームを立て直す道筋は作れたと思う」

「ただ、彼がいなくなるのは寂しい。ロッカールームでも練習場でも、あれだけ熱心にバスケに取り組み、競争心を持つ選手は今までにいなかった。それは他の選手にも影響を与えるものだった。カイリーも同じで、彼のことは尊敬している。彼ら2人と家族により良い将来があることを願っている。その才能を別の場所で発揮するのを見守るつもりだ。ただ、ここからは集中すべきは自分たちのチームの選手だね」

デュラントとのトレードでミケル・ブリッジズとキャメロン・ジョンソンが、カイリーとのトレードでスペンサー・ディンウィディーとドリアン・フィニー・スミスが新たにチームに加わった。既存の戦力でもキャム・トーマスはが得点力を爆発させ、ベン・シモンズはより大きな責任を背負い、ロイス・オニールはリーダーシップを発揮して、それぞれ活躍の幅を広げることになる。

マークスGMは新たにネッツに加わった選手たちを歓迎し、「みんなジャック・ボーンの下で新たな成長があると信じている」と言う。

「これまでもそうだったように、ネッツをNBAの優勝候補にするのが私の目標だ。チームは変わったように見えるだろうが、全面的な再編とは呼びたくない。今のチームには私が誇りに思うメンバーがいて、みんな戦うつもりでいる。彼らの活躍が楽しみだ」

現地2月9日のブルズ戦では、トレードが決まって間もないディンウィディーとフィニー・スミスが初出場。既存のメンバーも持ち味を発揮して素晴らしいバスケを展開し、116-105で勝利している。デュラントとカイリーの放出は世界の終わりではなく、新たな挑戦のスタートであることを示すパフォーマンスだった。マークスGMが言うように「チームを立て直す道筋」はすでに示されている。