「今もベストパフォーマンスを見せられているのは自分でもすごいと思う」
『その時』が訪れた。カリーム・アブドゥル・ジャバーが39年間保持してきたNBAの通算得点記録を、レブロン・ジェームズが更新したのだ。
レイカーズvsサンダーの第3クォーター残り10秒、ラッセル・ウェストブルックからのパスを受けてケンリッチ・ウィリアムズを相手にポストアップしたレブロンは、フェイダウェイ・ジャンプシュートを選択。難しいシュートではあるが、レブロンのシグネチャーショットの一つであり、正確にリング中央を射抜いた。その瞬間、レブロンは両手を宙に高々と掲げて、充実した笑顔を見せた。試合は一時中断となり、レブロンは偉大な記録の達成を家族と祝い、コートサイドにいたジャバーから祝福を受けた。
2003年のNBAドラフトで全体1位指名を受けたレブロンが、NBAで最初の得点を挙げたのは2003年10月29日のこと。20シーズンのキャリアを通じて平均27.2得点と優れたパフォーマンスを長く長く維持して、誰も到達できないと見なされていたジャバーの3万8387得点を超えた。
「得点記録のことを目標にはしていなかったからか、現実感があまりない。ただ、僕はどの試合でも自分のベストを尽くすことだけを考えてきて、それを長く長く続けてきた結果なんだ。記録に近付いているのは分かっていたけど、カリームのプレーや、彼がどれだけ長く現役を続けたかを考えると、この数字に到達できるとは思わなかった」とレブロンは言う。
「20年間も現役を続けて、今もベストパフォーマンスを見せられているのは自分でもすごいと思う。だから、これからも続けられると良いね。でも、まずはこのリーグで20年間プレーできていることを本当にうれしく思う」
「僕は自分自身を誇りに思う。好きな選手は人それぞれだけど、僕は自分がこのリーグでどれだけの功績を果たしたか理解している。だから、常に自分が最高の存在だと感じられるんだ。他にも素晴らしい選手はたくさんいる。そんな選手の旅の一部に自分がなっているのは幸せなことさ」
サンダーとの試合には敗れたが、レブロンは38得点を記録。通算得点記録は3万8352となった。「気持ち次第だけど、あと2年か3年はプレーできるだろうね」と言う彼は、この前人未踏の記録をもっともっと高みへと持っていくはずだ。