渡邊雄太

写真=Getty Images

欲するタイミングでパスが出ず、首をかしげるシーンも

12月1日、グリズリーズと2ウェイ契約を結ぶ渡邊雄太が、メンフィス・ハッスルのメンバーとしてサウスベイレイカーズ戦に出場した。

先発した渡邊は、チームのファーストシュートとなる3ポイントシュートを見事成功させるも、味方のスクリーンがオフェンスファウルとなり、渡邊のシュートはノーカウントに。その後は持ち前のディフェンス力を発揮。ディナイからハンドオフする瞬間のボールをスティールし、軽快なフットワークからブロックに飛び、最後までプレッシャーを与えタフショットを強いた。

オフェンスでは、チームオフェンスのルールに則り正しいポジションに素早く位置取ってバランスを取った。だがキャッチする両手をを出しボールを呼ぶが、渡邊が欲するタイミングでパスが出ずに首をかしげるシーンも見られ、第1クォーターは無得点に終わった。

だが、第2クォーター開始すぐにオフェンスリバウンドのこぼれ球を拾うと、シュートフェイクからマークマンを外し、落ち着いて初得点となるミドルシュートを沈めた。そこからアグレッシブにゴールを狙うようになり、ドライブからのフローター、ハンドオフからの3ポイントシュートを沈めると、速攻からシュートファウルを誘い、2本のフリースローを成功させて、このクォーターだけで9得点を記録した。

また味方のターンオーバーから2対3のアウトナンバーを作られた場面では、フィニッシャーを冷静に見極めてのブロックショットで失点を防いでもいる。

だが後半に入ると、チームはパスを散らしてマークを外すのではなく強引な1対1での打開が多くなり、渡邊のシュート機会は減っていった。第3クォーター途中、ようやくシュートチャンスが巡ってきたが、渡邊の放った3ポイントシュートは相手のブロックに阻まれた。もっとも、そのままカウンターに持ち込まれるも、ハリーバックして相手のトラベリングを誘発するなどディフェンス面での安定感は変わらない。

試合は終始拮抗した展開が続き、最終クォーター残り10分27秒に渡邊がコートに立った時点で、ハッスルが73-78と5点のビハインドを背負っていた。ハッスルは残り8秒に同点に追いつくも、残り2秒に逆転シュートを決められそのままタイムアップを迎えた。

渡邊は両チーム最長となる40分間出場し、9得点6リバウンド2アシスト2ブロックを記録。1対1のディフェンスでは抜群の強さを誇り、ヘルプディフェンスにも目を配らせるなど、ディフェンス面での貢献度からプレータイムが伸びている。一方で第3クォーター以降は無得点に終わるなど、オフェンスには課題を残した。最終クォーター残り3分の場面では、この試合唯一ノーマークで3ポイントシュートを打つ機会があったが、これを決められず。また多少タフショットになっても構わないくらいの強引さも、これからは持ち合わせてほしい。