レギュラーシーズン最高勝率の京都が気迫満点の福岡に苦しみながらも勝利。
41勝11敗、最高勝率でプレーオフに入った京都ハンナリーズは、最終節に滑り込んできた8位のライジング福岡をホームに迎え、ファーストラウンドがスタート。「これまで戦ったことのない、新しいチームのように向かってきた」と相手の気迫に驚かされたのは京都の内海慎吾だ。レギュラーシーズンでは京都が4連勝を挙げていたが、がけっぷちに立たされれば豹変するのがプレーオフの恐さであり、醍醐味でもある。
前半こそ同点だったが、後半に24点差をつけて93-69で先に1勝を挙げたのは京都だった。福岡にとって、負ければ終わる2戦目。第3クォーター中盤、京都モーゼス・エハンベが3ポイントシュートを決め、61-49と12点のリードを京都が奪う。しかし第4クォーター、福岡の気迫が優り、京都のペースが乱れる。
残り6分を切り、福岡が4連続ポイントを挙げ、76-73と3点差まで迫った。福岡ベンチはみんなが立ち上がって鼓舞し、ゴールエンドを陣取るブースターが声援を送る。
ホームの京都も負けられない。速いパス回しからタイレン・ジョンソンが福岡の勢いを止める3ポイントシュートを沈め、ケビン・コッツァーがインサイドを制し、91-80で2勝目を挙げた京都がカンファレンス セミファイナル進出を決めた。
福岡のヘッドコーチ、ジョゼップ・クラロスは、8連敗中だった3月12日の滋賀戦から指揮を執ると、12連敗まで尾を引いたチームを再起させ、ラスト12試合中6勝を挙げてプレーオフへと導いた。「負けてるチームに入ってきて、すべてを変えるのは難しい。一番難しかったのは役割を一人ひとりに理解させ、行動に移させることだが、ライジングという組織、選手、ファンのすべてが私を信じてくれて、しっかり表現してくれたことをうれしく思う。言葉で言うのは簡単だが、12連敗しているチームをサポートし続けてくれたファンには感謝しかない。本当にライジングを誇りに思う」と、激動のシーズンを振り返った。
岩手、滋賀、大阪がアップセットでセミファイナルへ進出。
京都の次戦は、昨シーズン王者の浜松・東三河フェニックスを倒した滋賀レイクスターズをハンナリーズアリーナに迎える。昨シーズンでも同カードが実現しているが、5分ハーフの第3戦目までもつれこむ中、京都が20-25で敗れて有明コロシアム行きを逃した。
滋賀にとっては良いイメージがあり、4位の浜松を倒して勢いづいて乗り込んでくる。昨シーズンと同じ轍を踏まぬよう、京都の選手たちのモチベーションは高い。「レギュラーシーズンではすべて勝ってるし、自分たちのプレイができれば勝てる。相手は必死で向かって来るので、さらに強い気持ちで戦っていきたい」と話すのは17点を挙げた村上直だ。
4月の月間MVPに輝いたタイレン・ジョンソンは、「様々なリーグで6年プレーし、そのうち3度ファイナルまで行ったがまだ勝てたことがない。ケビン・コッツァーがシーズンMVPだと思っていたのにベスト5にも選ばれなかった悔しさもある。(ヘッドコーチの浜口)炎さんは過去11年間bjリーグで戦ってきて、1度も優勝できていないのでなんとか勝たせてあげたい。そんな様々なモチベーションがあり、相手がどこであろうが優勝を狙うだけだ」と意気込み、ラストチャンスに懸ける。
滋賀同様、岩手ビッグブルズ(5位)が新潟アルビレックスBB(4位)を破った。大阪エヴェッサ(6位)は3位の島根スサノオマジックを倒し、ファーストシーズンから3連覇して以来の頂点を目指す。2年連続、ファイナルで敗れている秋田ノーザンハピネッツ(3位)は福島ファイヤーボンズ(6位)に勝利し、次戦は仙台89ERS(2位)のホームへ乗り込む。
イースタンカンファレンス1位の富山グラウジーズは、青森ワッツ(8位)を81-52で圧倒し、その力を示した。テンポよく今週末にはカンファレンス セミファイナルが行われる。勝利した各カンファレンス2チーム、計4チームが1万人収容可能な有明コロシアムへの切符を手にする。
5月7日(土)と8日(日)に行われるセミファイナルの組み合わせや試合日程はこちら
◎ 富山 | 91 81 |
– – |
68 52 |
青森 |
◎ 仙台 | 90 85 |
– – |
84 77 |
長野 |
◎ 秋田 | 87 82 |
– – |
79 71 |
福島 |
新潟 | 56 66 |
– – |
80 83 |
岩手 ◎ |
◎ 沖縄 | 96 88 |
– – |
86 73 |
石川 |
島根 | 57 55 |
– – |
62 61 |
大阪 ◎ |
浜松 | 94 67 |
– – |
96 77 |
滋賀 ◎ |