日本は今夜カタールと対戦、ファジーカスを軸に『Bリーグ勢』の奮起と快勝に期待

2018/11/30
日本代表
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男子日本代表

文=鈴木栄一 写真=野口岳彦

八村&渡邊が不在だからこそ期待したい選手たち

ワールドカップアジア予選のWindow5が、いよいよ11月30日、12月3日に富山で開催される。相手はカタール、カザフスタンと現在、日本よりも順位が下の2チーム相手であり、本大会出場のためには2連勝が絶対条件となる。

この2試合において最大の注目点は、オーストラリア、イランとアジアの強国撃破を含む4連勝へとチームを導いた八村塁、渡邊雄太の不在をどのようにカバーするか。サイズと機動力を兼ね備えた2人のアタックで局面を打開することで、日本代表はこの4試合において得点が止まる時間がほとんどなく、それが常に自分たちのペースで試合を運べたことに繋がった。

そして同じくWindow3に代表デビューを果たしたニック・ファジーカスを含め、アジアレベルでは圧倒的な個の力を持つ『ビッグ3』のうち、Window3はファジーカスと八村、Window4は八村と渡邊と、常に2人がメンバー入りしていた。この強力なワンツーパンチの存在こそが4連勝の原動力である。しかし今回は、八村と渡邊はともにアメリカでのシーズン中であるため参加できず。コートに立てるのはファジーカスのみとなる。

だからこそ、大事となってくるのはファジーカスを軸に得点を組み立ててつつも、どれだけ他の選手がアグレッシブに仕掛けていけるのか。その役割は予選スタート時から、代表の主力を担ってきた富樫勇樹、比江島慎、田中大貴、馬場雄大らに期待したいところだ。

比江島慎

『日本のエース』の働きが求められる比江島慎

特に比江島は、冒頭の『ビッグ3』がチームに加わる前の予選4試合で20点、17点、14点、23点だったのが、加入後は6点、17点、3点、4点に終わっている。特にWindow4の2試合は、八村と渡邊を軸としたオフェンスの中で、比江島は2試合合計でシュート試投数7本のみと消化不良に終わった。今秋から挑戦しているオーストラリアリーグでは故障もあって出場機会に恵まれず、ゲーム勘のなさが心配であるが、今回の2試合において比江島が起点の一つとして機能しないと、オフェンスが停滞してしまう危険性は大いにある。

ポイントガードの富樫もこれまで代表においては、他の選手に生かすべくパスの配給に重点を置いていた部分がある。しかし、八村と渡邊が不在かつ、比江島もゲーム勘の部分に不安がある現状において、千葉ジェッツの時のように自ら積極的にシュートを打って行く、Bリーグでいつもやっているスタイルを発揮すべき時だ。

カタールやカザフスタンにファジーカスを1対1で封殺できるビッグマンがいるとは考えにくく、彼の部分では確実にアドバンテージが取れる。ただ、そうは言ってもファジーカスでの攻めに偏ってしまい、他の選手の足が止まってしまっては、いくらファジーカスがシュートを決めてもチーム全体での得点が止まってしまう。川崎ブレイブサンダースでも見られる光景だが、チームとして調子が良い時はパスがよく回り、チームオフェンスでズレを作った中でファジーカスが得点を決めている。それが、最初からファジーカスにボールを預け、他の選手がボールウォッチャーになってしまう時は、結果的にタフショットに終わり相手の速攻を食らう。また、それを挽回しようと次のオフェンスで強引に行ってしまう悪循環に陥ってしまいがちだ。

ファジーカスを軸としつつも、彼に任せるというよりもチームオフェンスでチャンスを作り出し、最後を託す。そういう意識で攻めることが重要だ。振り返ればWindow3においても、八村がアグレッシブに仕掛けてディフェンスの意識を分散させたからこそ、ファジーカスがノビノビとプレーできたことを忘れてはならない。

竹内公輔

現行の国際大会ルールでは渡邊と八村には頼れない

守備面においても渡邊と八村の存在は大きい。特に2人はこれまでの日本人選手にはないリーチを備えたブロック力によって、ゴール下で相手にプレッシャーを与えていた。今回はそういった圧力は難しくなるが、竹内譲次、竹内公輔、太田敦也の同学年ベテラントリオの身体を張った粘り強いディフェンスに期待したい。

特に公輔は、代表の常連であり続けている譲次や太田と違い、久々の代表復帰となる。1週間前に行われたBリーグの川崎戦で、相手の外国籍ビッグマンであるバーノン・マクリンに対して手堅いディフェンスを披露するなど、開幕からの栃木ブレックスの好成績を支えている。この好調ぶりを代表の舞台でも発揮してもらいたい。

油断はできないが、自分たちの実力をしっかり発揮できれば結果は自然とついてくる。カタール、カザフスタンとの力関係はこのように言える。八村と渡邊は『日本バスケ界の至宝』ではあるが、アメリカで活躍する2人に頼っていられないのが現行の国際大会におけるルールだ。

だからこそ、Bリーグで切磋琢磨することでもアジア相手に勝てることをしっかり証明することは大きな意味を持つ。また、Window4では多くの選手たちが八村、渡邊の存在に大きな刺激を受けたと語っており、その効果を今ここでしっかり示してくれることを楽しみにしたい。

男子日本代表

ワールドカップアジア2次予選 Window5vsカタール 男子日本代表 代表メンバー12名

2 富樫勇樹(PG / 千葉ジェッツ)
6 比江島慎(SG / ブリスベン・ブレッツ)
7 篠山竜青(PG / 川崎ブレイブサンダース)
8 太田敦也(C / 三遠ネオフェニックス)
10 竹内公輔(PF / 栃木ブレックス)
15 竹内譲次(PF / アルバルク東京)
18 馬場雄大(SF / アルバルク東京)
21 市岡ショーン(PF / レバンガ北海道)
22 ニック・ファジーカス(C / 川崎ブレイブサンダース)
24 田中大貴(SG / アルバルク東京)
51 古川孝敏(SG / 琉球ゴールデンキングス)
88 張本天傑(SF / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
[ヘッドコーチ]フリオ・ラマス