ビクター・ウェンバニャマ

ファンに囲まれ、自分の席までなかなかたどり着けず

現地1月19日に『NBAパリゲーム』がパリのアコー・アリーナで行われ、満員御礼の1万5885人のファンが詰め掛けた。試合は前半最後の3分間でブルズが12-2のランで9点リードと抜け出し、後半のほとんどの時間帯で2桁の点差を守り、126-108で勝利した。

ゲームハイの30得点を挙げたブルズのザック・ラビーンが「この会場の雰囲気が僕たちを押し上げてくれた」と言い、フランス育ちとして注目されたキリアン・ヘイズは「勝者としてこの場にいられないのが悔しい」と語っている。

ブルズを率いるビリー・ドノバンが「バスケという競技が世界中で注目されていることにあらためて気付かされる」と現地の盛り上がりに感心すれば、ピストンズのヘッドコーチのドウェイン・ケーシーは「今日の我々はデトロイトだけでなくNBAを代表している、これは特別な特別なことだ」とその意義を語った。

いずれにしても3年ぶりの開催となる『NBAパリゲーム』は盛況のうちに終わった。

試合以外で最も盛り上がったのは、ティップオフ前のビクター・ウェンバニャマの登場だろう。彼はNBAからの招待を受け、家族とともに試合観戦に訪れた。アリーナの入り口から座席まではほんのわずかな距離だったが、今年のNBAドラフトで全体1位指名確実とされる上に地元フランスの選手で、220cmの長身となれば大いに目立つ。サインや写真撮影を求めるファンに囲まれ、なかなか自分の席にたどり着けなかった。

敗れたピストンズは12勝36敗で、リーグで下から2番目の成績。このままシーズンを終えればロッタリーでNBAドラフトの1位指名権を引き当てる確率が最も高い14%となる。2021年のNBAドラフトで全体1位指名を受けたケイド・カニングハムは左足のすねを痛めており、リハビリに専念するため今シーズン残り試合を全休する。

ピストンズのトロイ・ウィーバーGMは、奇しくもウェンバニャマのすぐ近くの席にいた。家族とともに試合を観戦したウェンバニャマは、良いプレーに驚き、笑顔で拍手をして、スマホを取り出しては動画を撮影しており、その様子は他のファンと何ら変わりなかった。それでも、レブロン・ジェームズと比較される『20年に1人の逸材』である。ウィーバーGMは試合どころではなかったに違いない。