「ディフェンスが遂行できてないという以前にオフェンスの終わり方」
サンロッカーズ渋谷は前節の信州ブレイブウォリアーズ戦を落として3連敗。直近の10試合で2勝8敗と調子を落としている。低迷の要因は7試合連続80失点以上のディフェンスにある。
信州戦は38-40と前半を互角で終えたが、第3クォーターに相手の連動したチームディフェンスの前にズレが作れずオフェンスが停滞し、ミスから走られる悪循環に陥って10-25のビッグクォーターを作られた。最終クォーターに1桁点差に戻すシーンもあったが、すぐさま2桁に戻されて以降は反撃のきっかけを作れず71-91の完敗を喫した。
第3クォーターの失速は大黒柱のライアン・ケリーが負傷し、出場できなくなったことも関係している。浜中謙ヘッドコーチも「信州さんの素晴らしいチームディフェンス。クローズアウトに対してものすごく力を入れていますし、そこに対してのギャップがなかなか生まれませんでした。前半にそのきっかけを作ってくれていたライアンが欠場しなきゃいけないのは、自分たちとしては大きかったです」と振り返った。
ディフェンスが最大の敗因となったが、起点となるケリーの離脱によりオフェンスの終わり方が悪くなったことが劣勢に拍車をかけた。「ディフェンスが遂行できてないという以前にオフェンスの終わり方。ターンオーバーから走られましたが、それは自分たちのディフェンスをさせてもらう前の話なので」
それでも、オフェンスとディフェンスは表裏一体。「結果としてディフェンスバトルでしたが、プライドを持っているところで、信州さんに上回られてしまった感覚」と話したように、やはりディフェンスの崩壊が敗因と浜中ヘッドコーチは見ている。
「やるべきことを本当にミスなく追求していかないといけません」
ベテランの田渡修人も「ディフェンスのチームというコンセプトは全く変わっていない」と言い切る。「僕たちは激しく行くので縦に抜かれた時は昔から失点が少し多かったです。でも、スティールも多くてそこからの攻撃回数が多かったので自然と得点も伸びました」
田渡が言うように、SR渋谷は徹底したタイムシェアによりスタミナをコントロールしつつ、全選手がエンジン全開で前線から激しく当たるディフェンスを真骨頂としていた。相手のバックコートでボールを奪い、イージーシュートに繋げるシーンも多々あるなど対戦相手にとって脅威だった。しかし、現在はその破壊力が影を潜めている。田渡はその理由に遂行力を挙げた。「僕たちがやりたいディフェンスができていない時間帯がとても多いです。スティールも増えていきませんし、ソリッドだけがディフェンスじゃない。簡単にやられて相手に戻られた状態になると、得点も増えていきません。ディフェンスがうまくいった結果、得点にも繋がると考えているので、自分たちのやるべきことを本当にミスなく追求していかないといけません」
SR渋谷は本日、同地区で順位が一つ上の三遠ネオフェニックスとの直接対決を迎える。奇しくも田渡にとってはBリーグ最初の3シーズンを過ごし、自身の評価を高めた思い入れのあるチームだ。田渡は言う。「あの時にいたメンバーのほとんどがいないですけど、あそこで僕は成長させてもらいましたし、その分絶対に負けたくないです。5人全員のチームディフェンスで守れば、僕たちはどことでも戦えると思います。悪い流れを断ち切る力はあると思うので2400秒、最後の1秒まで全員で集中して絶対に勝ちたいと思います」