前半は30%以下となったシュート成功率も、18得点の岸本を中心に43.5%まで復調
1月8日、横浜ビー・コルセアーズと琉球ゴールデンキングスが対戦した。第1クォーター終盤から第2クォーターにかけて13-0のランに成功した横浜BCが第3クォーターまでリードするも、最終クォーターに10得点3リバウンド2アシストを記録したアレン・ダーラムを筆頭にインサイド陣が粘り強く戦った琉球が最大17点あったビハインドを跳ね返し、76-70で勝利を収めた。
横浜BCは河村勇輝の個人通算1000得点目となるジャンプシュートで先行すると、インサイドのチャールズ・ジャクソンとデビン・オリバーが琉球の強力なビッグマンに身体をぶつけてタフショットを打たせ、ペイントエリアからの失点を防ぐ。インサイド陣のタフなディフェンスから流れを引き寄せた横浜BCは、赤穂雷太がオフェンスリバウンドから1on1で得点に成功するなど個人技も光って残り3分半に6点のリードに成功。琉球のジャック・クーリーに連続でリバウンドを拾われてしまいセカンドチャンスを与えるも、「自分が出ている時間は積極的に狙っていて、1本目は良い形で打てたと思います」と手応えを口にした森川正明が3ポイントシュートや技ありフェイクからのレイアップで琉球のディフェンスを攻略する。第2クォーターに入っても横浜BCの勢いは止まらず、好調を保った森川の連続3ポイントシュートとパトリック・アウダのインサイドプレーなどが飛び出して13-0のランに成功し、第2クォーター開始3分で31-14とリードする。
17点を追いかける琉球は、敗れた第1戦と同様にシュートタッチに苦しみ前半のフィールドゴール成功率はシーズン平均(45.0%)を大きく下回る26.7%と横浜BCの素早いヘルプディフェンスでシュートを打ち切れず、オフェンスが停滞する。その中でも、現在リーグトップの平均11.5リバウンドをマークするクーリーを筆頭にインサイド陣が第2クォーターに6本のオフェンスリバウンドを奪ってゴール下のイージーシュートに繋げる。また、ピックプレーからポップしたアレン・ダーラムがアウトサイドシュートを沈めるなど内外問わず得点に成功し、10点ビハインドで試合を折り返す。
エンドが変わった第3クォーター、クーリーとダンカンがインサイドの合わせで得点に成功すると、ダンカンと小野寺祥太が連続で3ポイントシュートを沈めて開始2分で2ポゼッション差まで迫る。ディフェンスではリングを狙うオリバーのレイアップをブロックするなどゴール下の攻防から少しずつ優位に立つと、このクォーターに7得点を挙げた今村佳太を中心にアウトサイドシュートを復調させた琉球が少しずつ横浜BCの背中をとらえ始め、1点ビハインドで最終クォーターへ突入した。
第4クォーターに入ると、ダーラムが開始早々にインサイドプレーや素早いトランジションからの得点に成功して逆転する。河村の3ポイントシュートで横浜BCに食らいつかれるも、ダーラムの連続得点が象徴するようにインサイドでアドバンテージを握ると、ディフェンスがペイント周りに寄ってきたことを見たダーラムのキックアウトから岸本隆一が3ポイントシュートを決めるなど内外で効率良く得点したことで13-0のランに成功し、5点をリードしてオフィシャルタイムアウトを迎えた。その後は、クーリーのブロックでこぼれたボールをジャクソンがリングに押し込むなどゴール下の激しい争いが繰り広げられたが、2本の3ポイントシュートを決めた岸本を筆頭にこのクォーターにフィールドゴール成功率66.7%と高い確率を記録した琉球が着実にリードを広げていく。また、ディフェンスでは前半に4本の3ポイントシュートを決めていた森川に対して小野寺や今村が激しくシュートチェックを行い第4クォーターの3ポイントシュートを7本中0本に抑えて反撃を許さなかった。
インサイド陣の奮闘とチームハイの18得点を記録した岸本を中心に試合全体で43.5%までフィールドゴール成功率を引き上げて逆転勝利をつかんだ琉球の桶谷大ヘッドコーチは勝因を次のように話した。「後半からダーラムのポストでアドバンテージが取れていました。それを5人が共通理解できてやり続けられたのはチームとして昨日より良かった点でした。ダーラムが点数を取ったことで相手のディフェンスも気にしていたのでそこで正しい判断からキックアウトして、岸本もシュートを決めることができていました」
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