ホーネッツに敗れるも「自分たちの努力には失望していない」
レイカーズのアンソニー・デイビスは、12月16日のナゲッツ戦で右足を痛めて、試合途中でプレーを切り上げた。右足の疲労骨折で、当初は「1カ月以上のケガ」とされたが、その後に「無期限の戦線離脱」へと変わった。
デイビスはレイカーズの攻守に欠かせない存在であり、特にディフェンス面は代えが利かなさそうだ。ここ数試合はトーマス・ブライアントがセンターの代役として奮闘しているが、1対1のディフェンスでは強さを見せても、ピック&ロールへの対応ではデイビスに見劣りする。能力も実績も大きな差があるのだから仕方ないが、スモールラインナップも機能せず、デイビスの穴は埋められそうにない。
オースティン・リーブスは「AD(デイビス)を失うのはつらい。彼はウチのディフェンスの中心だ。彼が抜けてディフェンスの評価は良くない。失点が多くては試合に勝つのは難しい」と語る。指揮官ダービン・ハムは「彼のプレーをそのまま補うのではなく、リバウンドにしてもペイント内の得点にしても、何かそれに代わる方法を見いださなくてはいけない。一つ確かなことは、自分たちを憐れむ時間はないということだ」と言う。
12月23日のホーネッツ戦は最大16点のビハインドから巻き返し、最後まで食い下がるも130-134で敗れた。レブロン・ジェームズは34得点とチームを引っ張ったが及ばず。「勝つチャンスはあったし、自分たちの努力には失望していない。誰も失望はしていないよ。目の前の試合に勝ちたいという気持ちだけなんだ」
デイビスが攻守にフル回転していた時でさえ、レイカーズの成績は平凡なものだった。ここから先の苦戦は免れない。レイカーズがプレーオフ進出を争う位置に踏み留まるには、レブロンがデイビスの分まで補うほどの活躍をする以外に方法はないだろう。
だが、12月30日に38歳となるレブロンは、ここ2シーズンはさすがに身体的な衰えが出てきているように見える。ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、ヤニス・アデトクンボといったNBAのトップスターのように、自分が中心となってチームに優勝をもたらすような影響力を出せていない。
レブロンはレイカーズに来るまでの15シーズンで、プレーオフ進出を逃したのはルーキーイヤーとその次のシーズンだけ。ヒートでの4年と2度目のキャブズ在籍の4年、8シーズン連続でNBAファイナルに出場している。それがレイカーズに来た1年目にはプレーオフ進出を逃し、2年目には優勝したものの、3年目はキャリア初のファーストラウンド敗退。4年目の昨シーズンはプレーイン・トーナメントにも進めなかった。
優勝したシーズンを除けば、それまでのキャリアからは考えられない低迷である。『衰え』がささやかれるのは彼自身のパフォーマンスというより、チームが結果を残せていない点が大きい。
誰しも老いからは逃れられず、その前にコートを去る者が大半だ。レブロンは20年の偉大なキャリアを築いてきたが、どうやらその変換点に差し掛かったようだ。ただ、まだ終わったわけではない。いまだ鮮烈なパフォーマンスを見せることはできており、レイカーズの勝利という結果を積み重ねれば、『衰え』のレッテルは剥がせるはずだ。
だが、今シーズンもリーグにインパクトを残せないようだと、それは決定的なものとして受け止められる。その場合は、偉大な功績をリスペクトされつつ、このリーグで『余生』を過ごすことになる。