ケガの影響は感じさせないが、試合勘がなくプレーになかなか絡めず
ウィザーズは敵地でジャズと対戦。足首をケガしていた八村塁が約1カ月ぶりに戦線復帰して、ケガの影響を感じさせないプレーを見せたものの、チームは終盤に失速して112-120で接戦を落とした。
八村は第1クォーター途中に投入され、ディフェンスリバウンドをきっちり抑えるところからスタート。そこから攻めに転じると、ルディ・ゲイとの1対1をクロスオーバーからの緩急を付けたドライブで制してレイアップに持ち込み、バスケット・カウントを獲得してボーナススローも確実に決める。その直後にはコリン・セクストンのドライブを止める、上々の立ち上がりとなった。
第2クォーター途中に投入された場面でも、ジャレッド・バンダービルトを背中で押し込んでからのジャンプシュートを決め、第3クォーターもフリースローライン付近から得意のプルアップを成功させている。
限られたプレータイムで得点という結果を残した八村だが、プレーへの関与は決して多くなく、センターのクリスタプス・ポルジンギスを体調不良で欠く中で、復帰初戦とはいえもう少し存在感を見せたかったところだ。
第4クォーター開始時点では90-93と3点ビハインドだったが、ここからジャズに走られ、残り9分半で八村が投入された時は点差が10に開いていた。まだまだあきらめる時間ではなかったが、今のウィザーズにはこれを押し返す力がなく、残り3分でブラッドリー・ビールを含め主力をベンチに下げることに。八村はその後もコートに残ったが、インパクトは残せないまま試合終了を迎えた。
24分のプレーでフィールドゴール4本中3本の7得点、7リバウンド1スティールが八村の復帰戦のスタッツ。プレーにあまり絡めなかった結果、シュートタッチは悪くなかったはずだがアテンプトは4本に留まった。ただ、約1カ月ぶりの出場で試合勘がないのは仕方ないところ。この日は『試運転』で、試合後も含めてケガの影響が出ないことがまずは大事。今後、試合を重ねる中でプレーのリズムを取り戻したい。
しかし、時間的な猶予はあまりない。ウィザーズはこれで12勝20敗となった。82試合のレギュラーシーズンはまだ折り返し地点の手前だが、現在東カンファレンス12位のウィザーズにとって、プレーオフのストレートインになる6位までは6.5ゲーム差を付けられており、プレーオフ進出の目安となる5割まで勝率を戻すのは相当厳しいチャレンジとなる。
チームが非常に厳しい状況に置かれている今、1カ月ぶりに戦線復帰した八村に求められるのは、チームに新たなエネルギーを持ち込み、重苦しい雰囲気を払拭するプレーだ。今日の試合で八村は鋭い動きを見せており、足首を痛めていた影響は感じさせなかった。チームが32試合を消化する中で、八村はその半分となる16試合を欠場したことになる。その分を取り戻すべく、チームを引っ張る活躍に期待したい。