ゾーンディフェンスに苦しむも勝負どころでインサイド陣が確実に得点し、接戦を制す

12月18日、アルバルク東京はホームで富山グラウジーズと対戦した。序盤にジャスティン・コブスの得点から主導権を握るが、なかなか富山を突き放すことができず、第4クォーター終盤に追いつかれてしまう。しかし、チーム最多の9アシストをマークしたライアン・ロシターからセバスチャン・サイズの合わせなどインサイド陣が最後まで得点し続け、78-74で勝利した。

A東京はチームハイの16得点をマークしたコブスのピックプレーから得点を重ねると、第1戦で22失点を許した富山のジョシュア・スミスにボールを簡単に入れさせない好守を見せる。オフェンスでは安藤周人やコブスが味方のスクリーンを使ってアウトサイドシュートを成功させ、残り3分半に10点のリードを得る。また、アレックス・カークとサイズがペイントエリアから得点を重ね、23-14とA東京が先行して最初のクォーターを終えた。

第2クォーター、9点を追いかける富山は、浜口炎ヘッドコーチが「ウチは機動力がない中で、今日はディフェンスで良かった部分が多かった」と振り返った2-3のゾーンディフェンスでA東京にシュートミスを誘発させる。オフェンスでは、スミスのポストプレーをおとりにしてペイントエリアで待つブライス・ジョンソンがバスケット・カウントを奪うなど富山のインサイド陣が起点となって猛追する。前半のオフィシャルタイムアウト明けには、野﨑由之がディフェンスリバウンドからコースト・トゥ・コーストでタフなレイアップを決めるなどバックコート陣も奮起し、4点までビハインドを縮めて試合を折り返した。

後半に入り富山がマンツーマンディフェンスに戻したのを機にA東京のロシターがカークとのハイ&ローでバスケット・カウントをお膳立てする。ディフェンスでは、3-2のゾーンを駆使して富山のガード陣のボールコントロールを脅かし、開始3分に10点までリードを取り戻した。しかし、ゴールに近い位置でジョンソンにボールを持たせてしまい、このクォーターだけで13得点を許した。そのため、第3クォーターは26-24と拮抗したが、A東京が6点リードで第4クォーターを迎えた。

追いかける富山は最終クォーター序盤こそ連続失点を喫し2桁までリードを広げられたが、タイムアウトを機にゾーンディフェンスのプレッシャーを強めたことでA東京にタフショットに追いやった。また、第3クォーターに活躍したジョンソンが好守からファストブレイクへ繋げるなど、ディフェンスリバウンドからのトランジションが機能。2点差で迎えた残り1分26秒に、小野龍猛がポストプレーでディフェンスをかわしてついに同点に。

背中をとらえられたA東京だったが、ロシターがディフェンスの間に入ってパスの経由役となってサイズの得点を演出し、再び一歩抜け出す。その次のディフェンスでは、同点弾を決めた小野に対し小酒部泰暉が身体を張った好守で侵入を許さずファンブルさせた。その後はファウルゲームによるフリースローを獲得したザック・バランスキーが2本ともきっちり沈め、4点差で勝利を収めた。

今日の勝利で7連勝を記録したA東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチは、「大事なゲームで連勝できて良かったです。この後は、過密日程の中でもコンディションレベルを次のバイウィークまで継続することを目標として、一つひとつの試合を大事に戦っていきたいと思います」と今後も連勝を続けていく堅い意思を見せた。