ENEOSサンフラワーズ

第4クォーター開始2分間で10-0と走り、主導権を渡さずに逃げ切る

12月18日、ENEOSサンフラワーズとデンソーアイリスによる皇后杯決勝戦が行われた。

ティップオフに跳んだ直後、すぐさま前線に走った渡嘉敷来夢がゴール下を決めて先制したENEOSは、その後も渡嘉敷を中心に得点を重ねていく。一方のデンソーは流れの中からフィニッシャーとなった赤穂さくらがミドルレンジのシュートをすべて沈めて10得点の荒稼ぎを見せる。互いにオフェンススキルがディフェンスを上回り、1on1からタフショットを沈める展開となったが、4本のオフェンスリバウンドを獲得しセカンドチャンスポイントでわずかに上回ったデンソーが20-17とリードした。

第2クォーターに入っても、長岡萌映子が個人技からスコアすれば、赤穂ひまわりも高さを生かしたプレーで決め返すなど、レベルの高い点の取り合いが続く。追いかける時間帯が長かったENEOSだが、長距離砲の精度で上回ったことで反撃を開始。前半の3ポイントシュートが12本中1本の成功に留まったデンソーに対し、ENEOSは林咲希がわずかな隙から2本の3ポイントシュートを射抜くなど、9本中4本を成功させた。そして、残り7秒、完璧な崩しから高田静がフリーの3ポイントシュートを決め切り、39-37と逆転して前半を終えた。

その後も、2ポゼッション差以上開かず拮抗するが、第3クォーター終盤に敷いたゾーンディフェンスが機能し、篠原華実の3ポイントシュートに繋げたデンソーが50-49と逆転して最終クォーターへ突入した。

ここまで互いに主導権を渡さない我慢比べが続いていたが、大事な最終クォーター序盤に女王が勝負強さを発揮する。素早いパス回しとハイポストへの経由でゾーンを揺さぶり、渡嘉敷のゴール下へと繋げる。そして、渡嘉敷への意識が高まったところで長岡、星杏璃が3ポイントシュートを射抜き、開始約2分で10-0と一気に走った。

反撃したいデンソーだったが、これまでは決まっていたドライブからのシュートや赤穂のミドルがリングに嫌われ、得点が伸び悩む。さらに3ポイントシュートと渡嘉敷をケアしたことで、ガード陣のドライブインレイアップを許すなど止めどころを見失った。

その後、最後まで集中力を切らさずに2桁前後のリードを保ったENEOSが最終スコア76-66で勝利し、皇后杯10連覇を達成した。