河村がいない時間帯にリードを拡大
横浜ビー・コルセアーズvs三遠ネオフェニックスの第1戦。天皇杯4次ラウンドで戦ったばかりの両チームの対戦は、パトリック・アウダがゲームハイの22得点を挙げ、要所で長距離砲を沈めた森川正明が11得点を記録するなど、セカンドユニットが機能した横浜BCが93-73の快勝を収めた。
序盤からホームの横浜BCが主導権を握る。前回の対戦で36得点を挙げた河村勇輝がいきなりドライブからバスケット・カウントを決めると、トランジションから須藤昂矢の3ポイントシュート、チャールズ・ジャクソンのゴール下をお膳立てし、1分半で8-0とスタートダッシュを決めた。その後、トランジションから連続で失点し、1ポゼッション差に迫られたシーンもあったが、エンジン全開の河村が内外から得点し、このクォーターだけで13得点3アシストとオフェンスを牽引して29-20と先行した。
第2クォーターに入っても横浜BCのペースは続く。インテンシティの高いディフェンスでアタックを許さず、外に追いやってはコースを先読みしてパスカットを連発した。こうして、このクォーターだけで9つのターンオーバーを誘発しディフェンスから流れをつかむと、アウダとジャクソンが合わせからインサイドで確実にスコアし、48-34で前半を終えた。
後半に入ると、河村のアタックを封じた三遠がじわじわと点差を詰めていく。マークマンだけでなく周りも目を光らせてタフショットを選択させると、7本のフィールドゴールをすべて落とさせ、河村の第3クォーターの得点をフリースローの1得点のみに封じた。アイゼイア・ヒックスが第3クォーターに11得点を固めて食らいつくと、最終クォーターのファーストプレーで細川一輝が3ポイントシュートを沈め、8点差まで迫った。
しかし、三遠の反撃もここまで。合計で15本のオフェンスリバウンドを奪ったように、インサイドの攻防で優位に立つ横浜BCは直後のオフェンスでサードチャンスから森川正明が3ポイントシュートを射抜き再び点差を2桁に乗せる。さらにサーディ・ラベナがフリースローを2本落としたのを横目に、またもや森川が3ポイントシュートを沈めた。タイムアウトを取って立て直そうとする三遠に対し、横浜BCはオールコートのトラップを仕掛けてアウダのイージーレイアップに繋げる。こうして、主導権を渡さなかった横浜BCは赤穂とアウダの連携プレーから連続で得点し、オフィシャルタイムアウトの時点でリードを20の大台に乗せて勝負を決めた。
青木勇人ヘッドコーチもチーム一丸での勝利に大きな手応えを感じている。「出場した10人中9人にアシストがついて、2桁得点が6人。自分の仕事を頑張って、バランス良くチームで戦えた証拠だと思います。ファストブレイクから26点取られていることは課題ですが、アグレッシブにディフェンスできた結果、19ターンオーバーという状況に持っていけました」
一方、敗れた三遠の大野篤史ヘッドコーチはプレー遂行度の低さに頭を抱えた。「自分たちが用意してきたことを遂行できなかったです。やられていいところとやられちゃいけないところというのをしっかり整理してやってきたつもりですが、どちらもやられてしまった。ビッグマンがヘルプに行かないようにし、ヘルプに行っていないにもかかわらずセカンドチャンスポイントで22点。これではゲームにならないです。応援していただいてるみなさんに申し訳ない、情けないゲームだったと思います」
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