桜花学園で台頭した『オフェンスの鬼』、田中こころ「ボールが回って来た時は絶対に点数を決める気持ちで」

桜花学園で台頭した『オフェンスの鬼』、田中こころ「ボールが回って来た時は絶対に点数を決める気持ちで」

2022/12/11 12:30
田中こころ

全国から優秀な選手が集まる桜花学園で、この1年で急成長を遂げて主力に定着したのが田中こころだ。大阪出身、KAGO CLUBでスキルを磨いた田中は、相手ディフェンスの駆け引きから後出しジャンケンのように様々なフィニッシュを繰り出して得点を奪っていく。その田中が頭角を現したのは、「ボールを持ったら絶対に自分が点を取る」という強い気持ちをコート上で体現できるようになったから。『オフェンスの鬼』はウインターカップでも遠慮は一切せず、自分の得点で桜花学園を引っ張っていくつもりだ。

「プレーで何かを制限されることはない、自由にやっています」

──まずは自己紹介をお願いします。

桜花学園、2年生の田中こころです。大阪府出身で、中学校ではKAGO CLUB大阪に所属していました。好きな食べ物は春巻き、得意なプレーは3ポイントシュートです。

──大阪のKAGO出身なんですね。MARUコーチに教わったスキルは桜花学園でも使えていますか?

はい、お姉ちゃんが通っていた学校の後輩がKAGOに入っていて、その人に「KAGOは良いよ」と勧めてもらったのをきっかけに中1の終わりぐらいから通うようになりました。MARUコーチに教えてもらったフィニッシュのオプションは今でも活用しています。KAGOで学んだのはオフェンスでの駆け引きで、自分がディフェンスだった時にどう思うかを常に考えてプレーしています。最初はレイアップを狙って、フィニッシュで相手を騙していくんですけど、3ポイントシュートが得意と言いましたが、それも相手が出てきたらドライブで抜いて、基本的にどこからでもシュートは狙えると思っています。フェイクで行ってワンステップだったり、留学生が相手だったらフローターだったり、相手を見ながらKAGOでやってきたスキルを「これが使えるな」みたいに考えています。

──KAGO仕込みのスキルの中で、最も自分で気に入っているのは?

タイミングをズラすレイアップです。普通は1、2でレイアップするところを、1歩目でボールを上に振るんです。相手は絶対に跳ぶか手を挙げるので、その瞬間に相手の手の位置を見て打つタイミングと場所を決めて2歩目でフリーで打つ。今までも効いていたプレーなんですけど、今年の国体では今までで一番きれいに決まりました。

──華麗なスキルを使った時に「普通にレイアップに行け」と怒られることはありませんか?

ないですね。外したら「今のは普通に打てたよ」と言われるんですけど、いろんなプレーをする中で「今ので良いよ」と言ってもらったり。プレーで何かを制限されることはないので、自分でいろいろ考えながら自由にやっています。井上(眞一)先生も「こころは打っていい」と言ってくださるので、打ち続けるようにしています。

田中こころ

「最初は遠慮があったんですけど、それじゃ自分の良さは出せない」

──2年生ながら主力としてウインターカップに臨みます。入学からここまで、どういった努力をしてきましたか?

新2年生になった直後の新人戦はAチームで試合に出させてもらっていたんですけど、その時は自信がなくて思い切ったプレーが全然できずにBチームに下げられました。その後にインターハイで負けたり、代表に入ったりといろいろ経験を積んで、いろんなことが積み重なっているんだと思います。最初は遠慮があったんですけど、それじゃ自分の良さは出せないので、最近ではボールを持ったら絶対に自分が点を決めるぐらいの気持ちでやっています。

そういう意味ではプレースタイルも少し変わっていて、最初は全部ディフェンスをかわしてかわしてのシュートを狙っていたんですけど、高校ではそれが全部通用するわけじゃないと分かって、スピードを生かしてシンプルにレイアップに行く意識を持つようにしたことで、プレーが良くなったと思います。

──一番苦しかった、悩んだ出来事は?

新人戦で自信をなくして、その後の練習試合でも全然上手くいかなくて、その時が一番苦しかったです。でもキャプテンに相談したらいろいろ話をしてくれて、それで吹っ切れました。私は(横山)智那美さんと一緒にプレーしたくて、それを目標に頑張ってきたんですけど、その智那美さんに自分もそういう時期があったと教えてもらって。一緒にプレーするには自主練も試合での努力も必要だけど、一番はメンタルだから、試合でボールが回って来た時は絶対に点数を決める気持ちでやったら大丈夫と言われて、本当にそうなりました。

コーチからも「打ち続けろ」とずっと言われていて、その気持ちを常に持って、外れてもすぐ切り替えてディフェンスして、また打ち続けるようにしています。

──桜花学園で楽しくバスケができていますか?

全員、オンとオフがはっきりしていて、コート上でも上下関係が全然なくて、すごく楽しくやれています。

──バスケ以外の生活面ではどうですか?

私はしゃべり出したら止まらないので、部屋でみんなで勉強している時に私が話し始めると「もういいよ」みたいなことを言われます。ちょっと聞いたところで私の話が終わらないので、すぐ切られるんです。別に一人で急にしゃべり出すんじゃなくて、誰かに何かを聞かれた時に勉強の集中が切れて、別の話をし始めて一緒の部屋にいる先輩にもその話を振るんですけど、私が「聞いてくださいよ~」って言ってるのに「テストが終わってからね」と。そんなのばっかりです(笑)。

田中こころ

「ディフェンスの出方を見て瞬時に判断する時も『無』ですね」

──間もなくウインターカップですが、それまでに「この部分で成長したい」というのはありますか?

大事なところでシュートが決められない、前が空いているのにパスをしてしまっていて、常に自分が決める気持ちをもっと徹底したいです。ウインターカップでは陰で支えるのではなく、チームで一番アグレッシブに攻めて得点していきたいです。ディフェンスは個人的に課題なので、ウインターカップまでに強化します。

──自信を失ってしまう苦しい時期を乗り越えて、今ノビノビとプレーできている要因は?

試合に出ている時に「一人じゃない」と思えるのが大きいと思います。スタートで同じ2年生の福王(伶奈)が出てくれる安心感とか、智那美さんがいつも言葉を掛けてくれたりだとか。自分でも積極的に攻めようと思っているんですけど、「思い切ってどんどん打っていいよ」と言ってくれるのが大きいです。

──今は自信を取り戻し、試合を見ていてもガンガン攻めて度胸があると思います。その度胸はどこから生まれたものですか?

度胸があるって、よく言われます(笑)。1年生の時のウインターカップで井上先生が「レイアップに行け!」とすごく怒っていたんです。途中でセカンドチームで出させてもらった時に、留学生をドライブでブチ抜いてレイアップを決めて帰って来たら、先生に「お前、度胸あるなあ」と言ってもらえました(笑)。自分では度胸があるとは思わないんですけど、緊張しないのが大きいと思います。

みんなの前で発表したりする時は緊張するんですけど、バスケで緊張することはないですね。何も考えないようにしています。インターハイでもトップリーグの京都精華戦も『無』でやっていました。「決めないと」とか考えたら絶対ダメなので。ディフェンスの出方を見て瞬時に判断する時も『無』ですね。やろうと思ってなかったプレーができたりする時もあります。

──それでは最後に、ウインターカップで「田中こころのここを見てほしい」というのを教えてください。

最初に3ポイントシュートが得意と言ったんですけど、最近は3ポイントラインから少し離れたところからも決められるようになって、ウインターカップでも決めようと思っているので見てほしいです。チームとしては40分走り続けるつもりなので、今までよりもっともっと走れるように頑張ります。

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