ベンドラメ&ケリーの強力ホットラインが機能したSR渋谷、混戦を制して京都を撃破

2018/11/19
Bリーグ&国内
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サンロッカーズ渋谷

文=鈴木健一郎 写真=幡原裕治

華麗なパッシングゲームで序盤はSR渋谷が圧倒

サンロッカーズ渋谷がホームの青山学院記念館に京都ハンナリーズを迎え撃った試合、土曜の初戦では64-65と1点差で敗れたSR渋谷が、第2戦では京都の猛追を浴びながら我慢のバスケットの末に競り勝った。

前日の勢いそのままに立ち上がりから攻守に強度の高いプレーを見せようとした京都だが、開始から1分半で立て続けに3つのファウルをコールされて出鼻をくじかれる。あっという間の攻守逆転で、ここから長くSR渋谷のペース。人もボールも激しく動くパッシングゲームから放つ3ポイントシュートが次々と決まる。第1クォーターは3ポイントシュート6本中5本を成功させたSR渋谷が28-20とリード。第2クォーターもリバウンドから走ったライアン・ケリーのダンクで35-22とSR渋谷が突き放し、京都は早々にタイムアウトを取らざるを得なかった。

しかし、この13点差が最大リード。ここからは京都が相手の3ポイントシュートをケアし、我慢のバスケットで少しずつ点差を詰め、43-49まで戻して前半を終えた。

後半、再びSR渋谷が勢いに乗る。第2クォーターにはイージーに打って外していた3ポイントシュートを自重してベンドラメ礼生の2本打って2本成功のみとし、ケリーとロバート・サクレのインサイドへの巧みな合わせで得点を重ねていく。だが京都の集中力は途切れない。伊藤のフローター、シャキール・モリスの豪快なダンクで喰らい付き、残り2分40秒には伊藤が山内盛久の運ぶボールを引っ掛け、速攻に持ち込んでバスケット・カウント。ボーナススローも決めてついに65-65の同点に追い付いた。

京都ハンナリーズ

疲労が溜まるサイモン、司令塔の伊藤にアクシデント

ここからは息詰まるシーソーゲーム。ただ、今度はSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチが我慢する番だった。相手に勢いがあり苦しい時間帯に、最終クォーターの勝負どころを見据えてケリーとサクレを順番にベンチに下げて呼吸を整えさせる。ここでファイ・サンバが短い時間を繋ぎ、満原優樹とサクレ、ケリーのビッグラインナップで勝負。前半は出場なし、第3クォーターも1分しか出番のなかった満原が最終クォーターを託されると、この試合絶好調のモリス相手にしぶといディフェンスを見せて勢いを止める秀逸な働きを見せた。

また京都のエース、デイヴィッド・サイモンへの対策は試合を通じて徹底していた。伊佐ヘッドコーチが「1歩でも1秒でも相手のやりたいプレーをさせないように」と託したディフェンスをケリーとサクレが遂行。京都には優れたシューターが揃うため、トラップに行くのも難しい。マッチアップしている選手が一人で止める、その責任を果たすことで京都の得点源を封じた。

さらには前日の試合で40分フル出場している36歳のサイモンを、試合を通じてハイテンポなオフェンスを遂行することで走らせた。「その結果、終盤はシュートの精度が落ちていた」と伊佐ヘッドコーチは作戦通りだったことを明かす。前日に26得点10リバウンドと大活躍したサイモンは、13得点7リバウンドと活躍が半減。経験豊富なベテランらしく、パスに切り替えて7アシストを記録したが、京都の爆発力が削がれたのは間違いない。

ただし、決定打は京都を見舞ったアクシデントだった。両チームとも休ませていたメンバーを戻して「いざ勝負」という最終クォーター残り5分44秒、ルーズボールを追ってフロアにダイブした伊藤駿が伊藤達哉の左足首を巻き込みながら倒れる形となり、伊藤達哉はプレー続行不能に。この時点でSR渋谷の78-76、ここからどう転ぶか分からない試合だったのだが、エースのサイモンが封じられた上に司令塔を欠いたことで京都は失速してしまった。

サンロッカーズ渋谷

活躍すべき選手が活躍、チーム一丸の勝利

しぶとい守備を見せていた満原が値千金のミドルジャンパーを沈め、最後はベンドラメのこの試合5本目となる3ポイントシュートで勝利を決定付けた。最後は85-78とSR渋谷が粘る京都を突き離して勝利を収めている。

ライアン・ケリーは加入後最多となる33得点を記録。5本中3本を決めた3ポイントシュートに加え、ベンドラメの狙うバックドアに合わせてのイージーシュートを連発。ベンドラメとのホットラインは今後も大きな武器となりそうだ。ベンドラメ自身も8本中5本の3ポイントシュートを沈めて17得点、さらには7アシストを記録した。また広瀬健太も堅実なディフェンスから鋭い攻めに転じ、要所でフリースローで繋ぐベテランらしい働きで13得点を挙げている。

活躍すべき選手が結果を残しつつ、プレータイムの少ない選手も自分の役割をきっちりとこなした上でクロスゲームを制する勝ち方は今後に繋がるはずだ。

一方の京都は悔しい惜敗を喫したが、勝負どころでの伊藤のケガがなければ結果はどうなっていたか分からない。SR渋谷の3ポイントシュートが当たっている状況、集中力を切らさずに追い付いた流れからすれば、京都が有利だったのかもしれない。プレー中の突発的な出来事ではあったが、浜口炎ヘッドコーチは「勝ち負けも大切ですが、防げたかもしれないケガが出てしまった」と、両脇を抱えられてロッカールームに下がった伊藤の状態を気にかけていた。

1勝1敗の痛み分け。両チームともにシーズンが進む中でチームの向上を感じられる連戦となったが、京都については伊藤のケガの状態が気掛かりだ。