ラマー・スティーブンス

「スピーチ力において間違いなくチーム屈指の人物」

今オフ、キャバリアーズはトレードでジャズからリーグ屈指のスコアラーであるドノバン・ミッチェルを獲得。2018年以来となるプレーオフ出場への期待が大きく高まる中で今シーズンを迎えると、ここまで11勝6敗と順調なスタートを切っている。

現地21日のホークス戦、ミッチェルは29得点9アシスト4リバウンド3スティールを記録し、114-102で勝利する立役者となった。ここまで15試合に出場し平均29.8得点、6.0アシスト、4.3リバウンドと自己ベスト更新を狙えるペースで活躍中だ。今のキャバリアーズはミッチェルと2大エースを形成する司令塔のダリアス・ガーランド、エバン・モーブリーとジャレット・アレンの両ビッグマンなど伸び盛りの逸材がチームの中心を担っているが、新たな期待の若手として台頭しているのがラマー・スティーブンスだ。

2020年に2ウェイ契約でキャバリアーズに加入したスティーブンスは、昨シーズンに63試合に出場し平均16.1分のプレータイムで6.1得点、2.6リバウンドを記録し、ローテーション入りを果たした。今シーズン序盤は開幕12試合の内、出場したのが3試合のみと出番に恵まれずにいたが、現地13日のティンバーウルブズ戦で先発に抜擢されると、今回のホークス戦まで5試合連続で先発出場中と一気に評価を高めている。

闘志を全面に押し出す激しいディフェンスが光るスティーブンスだが、彼のもう一つの大きな魅力は良い意味で誰に対しても遠慮なくコミュニケーションを取り、ムードメーカーとなっている点だ。それは明らかに彼より格上である大黒柱ミッチェルに対しても変わらない。

そしてミッチェルは、彼の姿勢を好意的にとらえており、ホークス戦後にこう語った。「スティーブンスはハドルで俺を叱咤するんだ。俺のところから相手が2本シュートを決めたら、『何をやってるんだ。彼らを守ってるのか、好き放題にやられたいのか?』って言っていた。その後、俺のところから得点を挙げた選手はいなかったと思う。彼のような選手は必要だ。彼のことを尊敬し、感謝している。彼は他の選手に対しても同じ態度だよ。スティーブンスのようにチームの誰に対しても意見を言うことを恐れていない選手がいるとエナジーは高まっていく」

ルイビル大で全米屈指の名将リック・ピティーノの下でプレーしていたミッチェルだが、今回の叱咤激励は、「ピティーノが俺に対して叫んでいて以来、聞いていないものだった」と懐かしんだ。そして、スティーブンスの振る舞いに信頼を寄せている。「これこそプレーオフ、ファイナルに行くために必要なものだ。彼はスピーチ力において間違いなくチーム屈指の人物だよ」

ガーランドも「彼は闘犬のメンタリティーをもたしてくれる」と称えるスティーブンスは、これからキャバリアーズがさらなる成長を果たすためのキーマンとして、コート内外で存在感を高めている。