ジェイ・クラウダー

バスケIQが高くてハードワークができるロールプレーヤー

ジェイ・クラウダーはサンズのトレーニングキャンプに合流せず、開幕から1カ月が経過した今もチームとは距離を取り、1試合にも出場していない。キャメロン・ジョンソンに先発の座を譲ることに不満を持っての行動という報道は彼自身が否定しているが、理由はどうあれジョンソンが戦線離脱してもクラウダーはチームに戻っていない。もはやサンズとの関係が修復する見込みはなさそうだ。

高い身体能力を生かしてハードワークができる『3&D』であり、32歳と若くはないが身体的な衰えが出ているわけでもない。決して派手なプレーヤーではないが、ヒートとサンズがNBAファイナル進出を果たす上で、ディフェンス面での彼の安定したパフォーマンスは不可欠なものだった。クラウダーやPJ・タッカーといった、バスケIQが高くてハードワークができ、3ポイントシュートも一定の安定感があってフロアを広げられる選手の価値は非常に高くなっている。

バックスやヒート、セルティックス、ホークス、キャバリアーズが彼の獲得に興味を持っているとされる。バックスはグレイソン・アレンを、ヒートはダンカン・ロビンソンを、ホークスはジョン・コリンズを軸に交渉をまとめようとしているようだ。中でもバックスは一昨シーズンの優勝に貢献したPJ・タッカーの穴が埋められず、同じタイプのディフェンス職人であるクラウダーに強い関心を示しているとされる。

即戦力の選手を求めるサンズとのトレードはなかなかまとまらないが、クラウダーを獲得するチームはどこになるのか。ロールプレーヤーではあるが十分すぎる実績のある彼の移籍が、今シーズンの結果を左右するかもしれない。