ジミー・バトラー

バトラーがラストポゼッションでブッカーをブロックして1点リードを死守

現地11月14日、ヒートはサンズとの激闘を113-112で制し、勝率5割復帰(7勝7敗)を果たした。

前半は一進一退の攻防が続きヒートの58-57で終えたが、後半になるとデビン・ブッカーにダブルチームを仕掛けに行くも逆手に取られ、フリーになったディアンドレ・エイトンなどにシュートを決められてしまい、第4クォーター残り約8分にはこの試合最大となる13点ビハインド(89-102)を背負った。

しかし、ホームのヒートはここから意地を見せる。91-102で迎えた残り6分50秒、ジミー・バトラーがポストプレーを仕掛けるビスマック・ビオンボに押し負けず、一瞬の隙を突いてボールをティップ。そして、この転がったボールをバム・アデバヨが拾うと、ボールプッシュからスピンムーブでブッカーをかわし、トーリー・クレッグのファウルを受けながらシュートをねじ込んだ。この3点プレーをきっかけに息を吹き返したヒートは、その後も攻めのディフェンスでペースをつかむ。オフェンスリバウンドを取ったエイトンからケイレブ・マーティンがスティールするとバトラーがプッシュして最後は再びアデバヨがバスケット・カウントを決める。こうして、ヒートは残り8分からの約4分間を12-0として、残り4分48秒にはついに1点差(101-102)に迫った。その後は、1ポゼッションを追いかける時間が続いたが、残り約1分半にカイル・ラウリーが3ポイントシュートを沈めて109-107と逆転してからは、リードチェンジを繰り返し、残り35秒でアデバヨがフリースロー2本を沈めて113-112とヒートがリードを奪う。

そして、迎えたサンズのラストポゼッション。ここで勝敗を分けたのがヒートの粘り強いディフェンスだった。残り10秒、オフェンスリバウンドをエイトンに取られ、ボールはエースのブッカーに渡った。ブッカーはトップからドライブして右エルボーからジャンプショットを放ったが、マークしていたバトラーがブロックで阻止。こぼれ球を再びブッカーが拾い残り2秒で3ポイントシュートを放ったが、ここでもバトラーがベッタリとブッカーに張り付きタフショットを打たせることで、ヒートは1点のリードを守り抜いて勝利をつかんだ。

アデバヨは第4クォーターで挙げた14得点を含む30得点と10リバウンドのダブル・ダブルの活躍を見せ、バトラーも16得点13リバウンド7アシスト1スティール1ブロックでチームを牽引した。指揮官のエリック・スポールストラは「この2人は私たちのチームの基盤となる心臓だ」と、バトラーとアデバヨを称えた。「私たちは彼らが持つ『戦士の精神』についていく。彼らはとてもタフで、典型的なツーウェイプレーヤーだよ」

こう語った指揮官はチームにエネルギーをもたらしたアデバヨについて「彼は本当に重要なプレーヤーだ」と続けた。「彼は絶対的な勝者なんだ。チームのために、多くの異なる役割をこなすことができる。ディフェンスの読み方やチームに必要なことを理解している。誰もが彼に40点を取ってもらいたいと思っているだろうが、彼はいつ自己主張すべきか、いつ他の人のために尽くすべきか、いつ仲間のためにスクリーンをセットするかを、しっかり考えている。私はこれほど多くの異なる役割を責任を持って果たしてくれる選手を指導したことがない」

そのアデバヨは「僕はこのチームを誇りに思っているよ。僕たちはビハインドを跳ね返して、戦い続けて、勝利を収めた」とチームを称えると、終盤に見せたバトラーの闘志溢れる守備を「あれは歴史に残るものだったね」と語った。そして、バトラーも「この試合をディフェンスで勝てたという事実が、僕はとても気に入っているよ」と語った。