ジョシュ・ハート

リラードも称賛「彼は勝者だ。これこそ彼に対するベストな表現だ」

現地11月7日、敵地でヒートと激突したトレイルブレイザーズはジョシュ・ハートの劇的なブザービーターが決まり、110-107の接戦を制した。右ふくらはぎの負傷により4試合連続で欠場していたデイミアン・リードの復帰戦を勝利で飾るとともに、7勝3敗と勝ち星を伸ばしている。

ブレイザーズは第2クォーター途中からヒートに先行を許し、第4クォーター残り6分15秒の段階で10点ビハインドと苦しい状況だった。しかし、25得点のアンファニー・サイモンズ、23得点のジェレミー・グラントらの奮闘で反撃し、残り1分40秒に同点に追いついた。その後も一進一退の攻防が続く中、残り6秒にマックス・ストゥルースに3ポイントシュートを決められ、土壇場で追いつかれてしまう。それでも、ここからのラストオフェンスでリラードが自陣からボールプッシュをし、相手のマークを引きつけてコーナーで待つハートへとパスを送る。この千載一遇のチャンスでハートが長距離砲を射抜き、ブレイザーズが激闘に終止符を打った。

現地10月26日以来の実戦となったリラードは19得点を記録したものの、フィールドゴールは12本中4本成功と低調に終わり、6アシストを挙げるも4ターンオーバーと本来の調子ではなかった。それでもリラードはチームの絶対的なエースであり、これまで何度もビッグショットを決めてきた勝負強さを持っている。それだけに最後の場面で彼がマークされていても、ラストショットを放つと予想した人も少なくなかったはずだ。

ただ、リラードにそういった考えはなかった。「俺たちは互いを信頼している。ディフェンスでは味方を信頼してスイッチし、オーバーヘルプから3ポイントシュートを打たれないようにしている。オフェンスも同じで正しい方法でプレーしている。(最後の場面で)ハートを見たら、彼は『シュートを打つ準備はできている』という身振りだったよ」

このように味方への信頼を強調するリラードは、決勝弾を沈めたハートの献身的な姿勢を絶賛する。「彼は勝者だ。これこそ、彼に対するベストな表現だ。そして彼の名前は、彼を表すのに完璧な言葉だね。リバウンドは7フッターのように取ってくれるし、常にパッシングレーンにいる。フィジカルで、情熱を持ってプレーする。彼のように勝利のためにプレーする選手には良い報いが返ってくるのさ。試合で最も大事なシュートを決めてくれたね」

そしてリラードの信頼に応えたハートは次のように語る。「デイムがアンセルフィッシュなパスをくれたから、僕は決めることができた。彼はブレイザーズのジャージーを着ている全員を信頼している。それは新しいことではなく、彼はずっと素晴らしい選手であり人物なんだ」

ブレイザーズは現地4日のサンズ戦に続いてブーザービーターで勝利するなど、ここまで接戦で抜群の強さを誇っている。それは大黒柱のリラードを中心に互いを信頼し、チームが1つにまとまっているからこそ。ここまで好調な理由が分かる今日の勝ち方だった。