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「彼は自分が輝ける居場所が欲しかった」

ニックスのカーメロ・アンソニーは今夏、ラッセル・ウェストブルックのニックス入りを願っていた。ケビン・デュラントがウォリアーズに移籍した後、来年オフにフリーエージェントとなるウェストブルックの流出をサンダーが恐れ、今夏の時点でトレードに踏み切る可能性はゼロではなかった。

今夏のニックスは積極補強に動いており、ウェストブルックが動くとなれば手を挙げただろう。だが、ウェストブルックは7月にサンダーとの契約延長を決断。アンソニーの期待通りには行かず、この夏で2度目となる『NBA史に残る大型移籍』は実現しなかった。

アンソニーはこの経緯について、『New York Post』とのインタビューで「あまりに早くラス(ウェストブルックの愛称)がサンダーと契約したから驚いた」と語った。「でも、ラスらしいよ。彼は関心がないことはやらない人間だから。きっとサンダーに対する忠義の心を示したかったんだと思う」

またアンソニーは、ウェストブルックがサンダー残留を決めた理由について、「リーダーになりたかったんだ」と推測する。

「自分が輝ける瞬間を待っていたのだろうね。KD(デュラント)の残留、移籍にかかわらず、彼はチームのリーダーになりたかったのだろう。彼のプレーを見れば、精神的な面も以前とは異なるし、力の入れ方も異なるのが分かる。そういうのは、目に見えて分かることだからね」

自分の居場所を手に入れたウェストブルックは、11月28日のニックス戦で27得点18リバウンド14アシストを記録し、3試合連続のトリプル・ダブルを達成。これで今シーズンの成績が平均30.9得点、11.3アシスト、10.3リバウンドとなり、ついにNBA史上オスカー・ロバートソンしか成し得ていない『平均トリプル・ダブル』の領域に足を踏み入れた。

デュラントが去った後、圧倒的なスタッツでチームを引っ張り唯一無二のリーダーとなったウェストブルック。