「決めなければいけないシュートを決めているからこそ、強いチーム」
茨城ロボッツは横浜ビー・コルセアーズとのアウェーゲーム第1戦に84-77で勝利した。
チームハイ(タイ)の17得点を挙げた平尾充庸が「ディフェンスでズレが生じてしまったり、横浜さんに走られてしまい、出だしは重いバスケットボールになってしまった」と振り返ったように、茨城は第1クォーターの立ち上がりで0-9と最悪のスタートを切った。それでも、ディフェンスを立て直すと、ベンチメンバーの奮闘や横浜の軽率なターンオーバーにも助けられ、このクォーターで7個のスティールを奪い、15-14と逆転して第1クォーターを終えた。
こうして序盤のマイナスをかき消した茨城は、平尾が後半開始から約3分間で9得点を固め、この試合最大となる16点のリードを奪うと、何度か1ポゼッション差に迫られることもありながら同点を許さずに逃げ切った。
平尾の17得点はすべて後半に記録したモノ。初めてのスポーツコートでのプレーで「不思議な感覚だった」と言うように、本人にしか分からないズレがあったという。それでも「ボールの跳ね方などを調整しながらできました。追いつかれそうになった時も思い切って打とうと思っていて、入ってホっとしてます」と語ったように、最後まで積極性を失わずにシュートを打ち続け、チームに勝利をもたらした。
同じ得点ではあっても、突き放したい場面での1本や、相手の流れを遮断する1本など、少なからずその価値は変動する。平尾も「強いチームはシュートの確率も高いです。逆に言えば、決めなければいけないシュートを決めているからこそ、強いチームだと思っています」と言ったが、平尾のほとんどの得点は、強いチームのそれだった。
茨城は今回の勝利で今シーズン初めての連勝を記録。次なる目標は同一カード連勝だ。平尾は「勝って反省できるのは非常に幸せなこと」と言い、強気に3連勝を狙っている。「河村(勇輝)選手に18得点11アシストをやられてますけど、逆に言えばそこしかやらせていません。そこをしっかり止めたり、逆にそこだけをやらせていいとも思います。振り切ることは大事なので、どういう風に抑えていくか、考えながらやっていきたいです」
「インサイド陣が身体を張って戦ってくれているからこそ、シュートを決められる」
Bリーグ誕生以降、元NBA選手の肩書を持った選手は増え、外国籍選手のレベルは年々上がっている。そのため、ほとんどのチームのリーディングスコアラーは外国籍選手が務め、それはリーグの得点ランキングトップ20を外国籍選手が独占していることからも明らかだ。しかし、現在の茨城のリーディングスコアラーは帰化選手のトーマス・ケネディで、この試合に至ってはケネディと平尾が17得点、福澤晃平と中村功平が15得点ずつと、日本人選手の活躍が目立った。
平尾は「ウチはどちらかと言えば、日本人選手が点数を取って引っ張っていくチーム」と言う。「TK(ケネディ)だったり、ジェイコブ(エリック・ジェイコブセン)ももっと絡んできてくれれば、より良いチームになれると思っていて、インサイド陣がもう少し頑張らないといけないと考えています。もちろん、今日みたいに思い切りシュートが打てて、アウトサイドの人間が10点を超えるバスケができているのは、ボールが回っているからこそで、良い傾向だと思います」
他チームの強力な外国籍選手とのマッチアップで互角以上に渡り合う必要はもちろんある。そして、インサイド陣の奮闘がなければアウトサイドが生きてこないことも平尾は分かっている。それでも、外国籍選手に依存しないスタイルは現在のBリーグでは稀で、そのスタイルが確立できればさらに強いチームになれると平尾は信じている。
「ちゃんと点を取ってくれとか、ちゃんとシールしてくれとかは伝えています。ウチはビッグマンがエリック(ジェイコブセン)一人しかいないですが、インサイド陣がリバウンドやディフェンスで必死に身体を張って戦ってくれているからこそ、外が空くしシュートを決められると思っています。どうやって2点を取っていくかが分かれば、より強いロボッツになると思う」
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