茨城ロボッツ

後半立ち上がりに奪った最大16点のリードを守り切る

横浜ビー・コルセアーズvs茨城ロボッツの第1戦。序盤は河村勇輝のゲームメークが光った横浜BCが先手を取る。河村のキックアウトからデビン・オリバーが3ポイントシュートを沈めると、河村がチャールズ・ジャクソンの速攻をアシスト。さらに河村はボールプッシュからシュートファウルを誘発し開始2分半で7-0と走った。

しかし、その後は合わせのパスをカットされ、ボールをファンブルするシーンも目立ち、得点が伸び悩んだ。実にこのクォーターだけで10個ものターンオーバーを犯して自滅すると、福澤晃平に2本の3ポイントシュートを射抜かれ、チームファウルがかさんだことから5本のフリースローを許し、14-15と逆転されて第1クォーターを終えた。

その後も互いにディフェンスの強度が上回る重たい展開が続く。茨城はインサイドを強調するも、中を締める横浜BCの粘り強いディフェンスに手を焼いた。それでも帰化選手としての強みを生かし、トーマス・ケネディがこのクォーターだけで7得点を挙げた。一方の横浜BCは河村がドライブ、ミドルシュートで連続得点を挙げ、さらにボールプッシュからオリバーの速攻をアシストする6-0のランを作ったが、チームとして3ポイントシュートに当たりが来ずに流れがつかめない。こうして拮抗した展開が続いたが、残り1分からケネディが5本のフリースローをすべて沈め、中村功平の3ポイントブザービーターで締めた茨城が8-0と一気に突き放して前半を終えた。

そして、前半の勢いを継続させた茨城のペースが続く。中村、平尾充庸の連続3ポイントシュート成功で早々にリードを2桁に乗せると、平尾はジャクソンとのスピードのミスマッチからドライブで得点し、さらにゴール下のこぼれ球を押し込んだ。こうして約3分間で9得点の荒稼ぎを見せた平尾の活躍もあり、この試合最大となる16点のリードを奪った。

連続でセカンドチャンスポイントを奪われ窮地に陥った横浜BCは、ここでオリバーを下げて赤穂を4番に置くスモールラインナップを選択。そして、これが功を奏した。スピード勝負に持ち込み、『スコアラーモード』となった河村が個で打開し、10得点4アシストと爆発。苦しんでいたアウトサイドシュートも、途中出場の大庭岳輝が2本の3ポイントシュートを沈めた。こうして、流れを取り戻した横浜BCが6点ビハインドまで詰めて第3クォーターを終えた。

迎えた最終クォーター、ファーストプレーで大庭が3ポイントシュートを沈め、ついに1ポゼッション差に迫ったが、茨城も福澤の活躍などで逆転を許さない。そして、これまでとは打って変わり、互いにバスケット・カウント、3ポイントシュートを決め合う乱打戦となっていった。

残り2分36秒、横浜の6点ビハインドの場面。ここまでチームハイの17得点を挙げていた平尾がファウルアウトとなり、チームファウルも5に達し、ジャクソンが苦手なフリースローを2投とも成功させたことで横浜BCが流れに乗るかと思われた。しかし、この勝負どころでケネディが3ポイントシュートを沈め、再び3ポゼッション差に広げると、直後にはセカンドチャンスからチェハーレス・タプスコットがドライブを決めて勝負アリ。最後まで逆転を許さず、最終スコア84-77で逃げ切った。

茨城は得点頭のタプスコットが6得点に終わったが、7アシスト6スティールを記録し得点以外の部分で活躍。そしてオフェンス面では平尾がチームハイの17得点を挙げ、福澤と中村功平がそれぞれ15得点を挙げたように、日本人選手の活躍が目立った。リチャード・グレスマンヘッドコーチも一人に依存しないスタイルでの勝利を素直に喜んだ。「複数の選手がステップアップしてくれたことでこの結果に繋がりました。また、これが自分たちが目指していることです。バランスが大事だと思っていて、誰か一人ではなく多くの選手が活躍した、そんなバランスの取れた試合でした」