名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

要所で齋藤がスコアし、同点を許さず

横浜ビー・コルセアーズのホーム開幕節、名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの第1戦。終盤まで2ポゼッション前後で推移する接戦となったが、5本の3ポイントシュートをすべて沈め、20得点7アシストを記録した齋藤拓実の勝負強さが光り、名古屋Dが91-84で勝利した。

立ち上がり、横浜BCはシュートタッチの良い須藤昂矢が第1クォーターだけで3本の3ポイントシュート成功を含む11得点の荒稼ぎを見せたが、名古屋Dのトランジションオフェンスを止められず、齋藤や伊藤達哉の巧みなゲームメークからインサイドで失点し21-24で第1クォーターを終えた。

その後も確実にインサイドで得点を重ねる名古屋Dのペースで試合が進み、第2クォーター残り2分にはリードを2桁に乗せた。しかし、横浜BCは河村がペースアップを図り、トランジションから3ポイントシュートを成功させるなどリズムが生まれ、10-0のランで同点に追いついた。

第3クォーター中盤、齋藤が河村からファウルを誘いつつミドルシュートを沈め、3点プレーを成功させる。これで個人3つ目のファウルとなった河村をベンチへ追いやり、名古屋Dが主導権を握った。速攻から中東泰斗のダンクが飛び出し、アウトナンバーの状態で確実に加点。張本天傑の3ポイントシュートが決まり、この試合最大となる12点のリードを奪った。

それでも、最終クォーターに入るとゾーンディフェンスが機能した横浜BCの反撃が始まる。インテンシティを高め、ボールマンへのプレッシャーを強めると、ズレを作らせずにタフショットを打たせ続けた。24秒バイオレーション、オフェンスファウルを誘発し、約4分間を3失点に抑え1ポゼッション差に迫った。

その後は互いに連続得点を奪い合う拮抗した展開となったが、残り2分に横浜にアクシデントが生じる。最終クォーターだけで10得点を挙げ、反撃の中心となっていたパトリック・アウダが着地で足を痛めてベンチに退くことに。直後、須藤が速攻に持ち込んだものの張本のブロックショットに遭い、同点に追いつくチャンスを逸した。

最大の危機を脱した名古屋Dは、残り52秒に齋藤が河村をフェイクでかわし、3ポイントシュートを決める。リードを3ポゼッション差に広げるこのシュートが決定打となり、そのまま名古屋Dが逃げ切った。

ゲームハイの12アシストを記録したものの、シュートタッチに苦しんだ河村は「今日は齋藤選手の日」と言い、自分を責めた。「ゲームをコントロールできず、齋藤選手に完敗しました。弁解の余地はないです。高校3年の時にマッチアップをして、一番大変だと思ったのが齋藤選手でした。2、3年ぶりにマッチアップさせてもらいましたが、ファウルが込んでしまってアグレッシブにディフェンスできなかったです。今日は完敗でした」