ドノバン・ミッチェル

アレン「正直な対話をして、お互い少しずつ信頼関係を作っていく」

キャバリアーズに加わったドノバン・ミッチェルは、新たなチームメートとの連携構築を楽しんでいる。練習場でコミュニケーションを取り、プレシーズンゲームで試し、また練習場に戻る。その繰り返しの中でケミストリーを少しずつ作っている最中だ。

特に力を入れているのが、ジャレット・アレンとの連携だ。ジャズでのミッチェルは、ルディ・ゴベアとのピック&ロールを武器にしていた。不仲が噂される時期が長かったが、コート上では阿吽の呼吸があった。この息の合ったプレーをアレンと築くことがミッチェルにとっては急務となっている。

「かなり良くなってきていると思う」とミッチェルは言う。「僕とルディには5年間かけて作ってきた連携があって、僕とJA(アレン)にはそれがない。でも、僕自身がルディと最初に組んだ時よりも成長し、バスケを理解しているのは利点の一つだ」

「トレードが決まった時期が遅かったから、正直に言えば準備は遅れていて、開幕に向けて急いで仕上げていかなきゃいけない。でも、JAは僕のやり方を受け入れてくれているし、僕も彼のやり方を尊重して、上手くやれているよ」

2017年のNBAドラフトの同期であるアレンも、「ドノバンがフルスピードでリムにアタックすれば、誰にも止められない。僕のスクリーンがその助けになれば素晴らしいよね」と話す。「最初の試合からミッチェルが僕へのロブパスを狙っているのが分かった。僕のスクリーンを使って彼がイージーレイアップに持ち込むプレーもあった。上手くフィットできていると思う」

ゴベアほど屈強ではないかもしれないが、フットワークが良くて素早くロールできるアレンも優秀なスクリーナーだ。ガーランドよりも突破力と得点力に優れたミッチェルとのピック&ロールでは、相手ディフェンスの注意はよりミッチェルに引き付けられるはずで、ロールからゴール下に走ってパスを呼び込むアレンの動き、そこからシュートに行くのか、フリーの味方を見付けて次のパスを出すのかの判断が問われる。

彼にとって難しいのは、キャブズにはダリアス・ガーランドにキャリス・ルバートと、ピック&ロールのボールハンドラーが多いことだ。すでにガーランドとのコンビネーションは出来上がっている。ルバートはアレンにとって、NBAに来て最初にピック&ロールのデュオを組んだ相棒だ。一人ひとりのプレーの特徴は理解できても、瞬間瞬間で変わっていく最適なプレーを選択し続けられるかがアレンには問われる。

それでも彼はルーキー時代にスピードで勝負するのを好むルバートと組み、次にじっくりとボールを保持して、リムアタックよりもミドルレンジのジャンプシュートを得意とするディアンジェロ・ラッセルと組んだ。キャブズでもコリン・セクストンにガーランドとタイプの異なるハンドラーを理解し、良い連携を見せている。

「すべては練習場での成果だよ。チームメートと正直な対話をして、お互い少しずつ信頼関係を作っていくんだ」とアレンは言い、こう続ける。「ピック&ロールはスタッツに出ないけど、そこから得点が生まれれば自分のアシストだと思っている。それが僕の誇りなんだ」

開幕時点ではまだまだ完成形ではないだろうが、シーズンが進むにつれて連携は成熟していくはず。ミッチェルという絶対的なエースを手に入れたキャブズがどのように変化していくのかが楽しみだ。