デジャンテ・マレー

写真=Getty Images

「コーチミーティングに参加させて、脳を鍛えてもらう」

デジャンテ・マレーは、思わぬ形でターニングポイントを迎えた。NBA3年目を迎えた今シーズン、マレーはスパーズの先発ポイントガードを務めるはずだったが、10月のプレシーズンゲーム中に右ひざ前十字靭帯を断裂する重傷を負い、今シーズン中の復帰が絶望的となった。

マレーは、今オフに退団したトニー・パーカーの後継者として期待されている。2年目の昨シーズン、指揮官のグレッグ・ポポビッチは、パーカーをセカンドチームに回すことを決断。パーカーからも背中を押されたマレーは、先発に定着して平均8.1得点、5.7リバウンド、2.9アシスト、1.2スティールを記録。また、ポイントガードの年間リバウンド数で球団新記録を更新した他、2年目にしてオールNBAディフェンシブ・セカンドチームに選出された。

残念ながら今シーズン中の復帰は難しいものの、ポポビッチは、今後チームを引っ張るべきマレーの時間を有効活用しようとしている。『my SA』とのインタビューで「もう少し動けるようになったら、彼にはコーチのような役割を担当してもらうつもりだ」と語った。

「コーチのミーティングに参加させて、ゲームプランなどについて議論する場に立ち会ってもらう。チームがどういうプレーをするか、毎回ミーティングに参加させて、脳を鍛えてもらう」

このプランは、ポポビッチなりの配慮でもある。長期間のリハビリは往々にして退屈で、孤独を感じてしまう選手が多い。先週手術を受けたマレーは、今のところポジティブな姿勢で日々を送れていると、ポポビッチは話している。

「彼は、やるべきことをこなしている。だが、1年プレーできないのだから、フラストレーションだって溜まる。選手にとっては、とても大きなことだ。6週間そこいらで復帰する話ではないのだからね。しかも、彼はキャリア序盤の時期をケガで棒に振ることになる。それはすさまじいストレスだろう。それでも彼は冗談を言えるくらいに対応している。我々は、チーム全員で彼と接し続けるつもりだ」

健康な状態だったなら、オフにラプターズからトレードされたデマー・デローザンの相棒として、キャリアイヤーを送れていたかもしれない。不運に見舞われてしまったが、この1年でバスケットボールIQを高め、精神的にもたくましくなって復帰し、完全復活を果たしてもらいたい。