序盤からターンオーバーを繰り返し、自滅でSR渋谷との初戦を落とす
秋田ノーザンハピネッツは10月8日、アウェーでサンロッカーズ渋谷と対戦。開幕節では2試合続けて95得点以上とオフェンスが爆発した秋田だが、この試合ではSR渋谷の激しいディフェンスの前に序盤からターンオーバーを重ねてしまう。その結果、前半で27-48と大量リードを許し、そのまま70-81とSR渋谷に主導権を握られたまま敗れた。
秋田は21点リードを許した前半だけで12ターンオーバーを献上し、自分たちのミスでリズムを崩してしまった。3ポイントシュート4本中3本成功を含む11得点を挙げたベテランの古川孝敏は、次のように試合を振り返る。「結局、自分たちが一番やられたくないようなやられ方をしてしまいました。相手にうまくやられたというより、自分たちがやりたいことをできなかった。ターンオーバーからの失点など自滅に近いところが大きいです」
SR渋谷は強度の高いディフェンスを貫いてきたが、古川は「SR渋谷さんが激しくやってくるところは毎年変わらないです。そこは自分たちもわかっていたにも関わらず……。というのが僕の中にはあります」と、崩れた原因は自分たちにあると考える。
そこには「最後の方ではうまくできていて、我慢してプレーできていた状況もあるので、なんでそれが最初からできないのか。僕を含めたチーム全員が良くないし、残念だと思います」と、自分たちの力を発揮できなかったことへの悔しさをにじませた。
現在、秋田は前田顕蔵ヘッドコーチが家庭の事情でチームを離れている。今オフ、チーム残留を決めた理由を「秋田のバスケットが好きだし(前田)顕蔵さんとやるのが好きだし、このチームでなんとしても結果を出したい」と明かした古川は、ヘッドコーチへの思いをこう語る。
「この場にいないことは確かですけど、だからといって顕蔵さんがいないものだと僕は思っていないです。今まで顕蔵さんが積み重ねてきてくれたバスケットスタイル、熱い想いや愛情はチームに間違いなくあります。今、自分たちにできることを最大限表現することで、それを忘れないようにしたいです。誰よりもここにいたいのは顕蔵さんだと思うので、試合を見てくれていた時に、たとえば『あぁ……』と思われるプレーをしたくないです」
「やりたいことを続けていくからこそ少しずつ積み重ねが生まれていく」
この試合の秋田は「コンスタントにやり続けないといけないことができていない」という、昨シーズンからの課題を露呈しての完敗だった。同じ過ちを繰り返すようでは、いつまで経ってもチーム力の底上げはできない。そこに古川は危機感を募らせている。「昨シーズンも上がり下がりがあって、チームが良くなってもうまくいかないと同じことの繰り返しがありました。そうなってしまうといくら作り上げても上積みがない。それぞれが学ぶことで、それが経験となってケミストリーが生まれていきます」
まだシーズンは始まったばかりでこれからチーム力を高めていけばいい。現段階で噛み合わない部分が出てしまうのは致し方ない、という見方もある。ただ、古川はそういう逃げ道を作らずにこの敗戦と向き合っている。
「今シーズンもチャンピオンシップに出場して、さらにその上の優勝を目指してやっている中で考えれば、自分を含めたチーム全員が覚悟、自覚を持ってやらないと難しいです。その意味でも、残念な試合をしてしまったことを60分の1という言い方で収められるものではないです。一つひとつの積み重ねが大事です」
本日のSR渋谷との2試合目、「カムバックすることはかなり大きいです。序盤だからOKなんてことは1つもないです」と古川は強調し、秋田が強豪となるために乗り越えないといけない壁を語る。
「自分たちがやりたいことをやり続ける中でいろいろなことが起きてくるからこそ、少しずつ積み重ねが生まれてきます。しっかりと自分たちのスタンダードを作りあげてそれをやり続けないといけない。僕も含めてそれを全員がコートで表現する。僕はみんなを引っ張っていかなければいけない立場ですし、選手全員でしっかりと考えてやらないといけないです」
果たして秋田がどんなプレーを見せてくれるのか。開幕直後ではあるが、序盤戦における一つのターニングポイントとして注目していきたい。
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