今オフに5年1億9400万ドルの大型契約を結ぶ
長引く欠場に太った身体、そして勝てないチーム……。ザイオン・ウイリアムソンは昨年オフの自主トレ中に右足を骨折し、しばらくすれば治る軽傷だったはずが昨シーズンは1試合にも出場できなかった。NBA3年目の若手ではあるが2019年のNBAドラフト全体1位選手で、チームを引っ張る立場。その期待に応えられないことに、プロフェッショナル意識の欠如を指摘する手厳しい声も出ていた。
だが、今回のペリカンズ始動日に彼は完璧なコンディションで現れた。巨体ではあるが余計な肉は落ちており、自身にも満ちている。メディアデーの取材で「復帰が近くなったと思ったらまた痛みが出てリハビリになり、精神的にすごくつらかった。だけど、それはもう過去のこと。今はまたコートに立てることに興奮しているよ」とザイオンは言う。
大事なのは、足が治っただけでなく自信を持ってチームに戻って来れたことだ。「始動するにあたって、自分らしくやればいいと思っている。みんなを待たせてしまって悪かったけど、だからこそチームにとって最善の努力をしようと思っている」
ペリカンズのどの選手も、ザイオンの復帰に興奮している。そのことにザイオンは感謝し、「このチームの一体感が大事なんだ。僕らの結び付きが強ければ、プレーの面でもより深く理解できる」と語る。
練習初日の5対5からザイオンは素晴らしいプレーを見せたようだ。ヘッドコーチのウィリー・グリーンは「彼が試合を支配していた。彼の力は際立っていた。ボールを持った時には得点でもアシストでも素早く判断を下していた。本当に印象的なプレーだった」とコメントしている。
ラリー・ナンスJr.も「約500日のブランクがある選手がすぐに良いプレーをできるものじゃない。だけど彼は素晴らしいプレーをしたよ。みんなが彼のプレーに合わせるには少し時間が必要だろうけど、あれには驚いた」と語った。
じっくりと時間をかけてケガを治したのが良かったのかもしれないし、今オフに5年1億9400万ドル(約270億円)の大型契約を結んだことが不穏な空気を消し去ったのかもしれない。いずれにしてもザイオンは復帰し、ペリカンズは良い方向へと動き始めた。