プレーオフで輝くディフェンスの職人が新天地を探す
今週から始まるサンズのトレーニングキャンプに、ジェイ・クラウダーは参加しない。彼の意思をサンズは受け入れ、これから彼のトレード先を探すことになる。
クラウダーは先週の時点で「キャンプに行きたくない」とSNSに投稿し、すぐに削除していた。また8月の時点で「変化が必要だ。僕は成長し続けたい。変化の時が来た」とも投稿している。また、他のチームでプレーする自分の画像や、ヒートが彼の獲得を狙っているという記者の投稿に「いいね!」を押していた。
クラウダーがサンズの何を嫌ったのかは分からない。オーナーによる人種差別的な言動、ハラスメント行為が発覚し、クラブ売却に動き出す騒動に嫌気がさしたのかもしれない。3年契約の最終年を迎えた今、新たな挑戦を前倒しで始めたいのかもしれない。また、4年目のキャメロン・ジョンソンと自分が同じ立場でポジション争いをさせられることを受け入れられなかった可能性もある。
また今オフには、サンズがケビン・デュラントやボーヤン・ボグダノビッチの獲得に動くと噂される中で、クラウダーの名前は常にトレード候補に挙がっていた。これも彼にとってはフラストレーションだったのかもしれない。いずれにせよ、彼はサンズではもうプレーしないことになった。
クラウダーは派手なプレーヤーではなく、突出したスタッツを残すわけでもないが、高い身体能力とバスケIQを兼ね備えて、常にハードワークのできるディフェンスの職人だ。その勝負強さは特にプレーオフで効果を発揮するもので、ヒートとサンズをNBAファイナルまで押し上げている。
契約最終年となる今シーズンの年俸は1010万ドル(約14億円)。ロールプレーヤーとしては安くない金額だが、実績は十分。タフなディフェンダーを必要とするチーム、プレーオフで上位進出を目指すチームにとっては見逃せないタレントが市場に出てきたことになる。