藤田ヘッドコーチが作り上げたディフェンスチーム
琉球を地区優勝、チャンピオンシップベスト4に導いた藤田弘輝 ヘッドコーチが指揮を取った昨シーズン、仙台は攻守ともに数字を向上させ、見事就任1年目でB1昇格を果たした。
3ポイントシュート成功率5位、2ポイントシュート成功率リーグ5位、フリースロー獲得ポゼッションの割合もリーグ5位ということもあり、オフェンシブレーティング(100回攻撃した場合の平均得点)は5位とオフェンシブな印象があるが、仙台は藤田ヘッドコーチが標榜する通りディフェンスのチームだ。
3ポイントシュートを打たせず、インサイドへ誘い込んでタフショットを打たせ、その2ポイントを47.08%(リーグ最低)の決定率で抑えるプラン通りのディフェンスを展開した。そのディフェンシブレーティング(100回攻撃された場合の平均失点)は97.3。特にホームでは93.8点と他の追随を許さない。このディフェンスを武器に東地区を生き残ることができるか注目だ。
藤田ヘッドコーチはスターターをあまり固定しない傾向があるため予想は難しいが、昨シーズンの終盤と調子を上げた岡田泰希が継続して先発を務めると予想。仙台は3ポイントシュートを重宝するため決定率が高い小林遥太の起用も充分にあり得るだろう(宇都宮ブレックス・琉球ゴールデンキングスとのプレシーズンでは小林がスターターを務めていた)。
所属選手一覧
注目選手
岡田泰希
昨シーズンの後半から目覚ましい成長を見せ、プレーオフでは8試合連続で先発起用された。特別指定選手とは思えない堂々としたプレーで仙台のファンを魅了。3ポイントシュートは成功率33%と必要十分な確率で決め、ひとたびペイントエリアに侵入すれば61%の決定率を記録。スコアラーとしてさらなる成長が期待される。
ネイサン・ブース
昨シーズンに所属したトルコリーグではeFG%(3ポイントシュート1本成功を1.5本換算した実質シュート決定率)が63.2%、ヨーロッパの強豪ひしめくチャンピオンズリーグにおいても61%。3ポイントシュートは通算46%の決定率と驚異的な数字を叩き出したストレッチビッグマン。3ポイントラインの外にいる時の動きはシューター同然で、プレシーズンにおいても、ブースの3ポイントシュートをファーストオプションにしたセットオフェンスを組まれていたほどチームからの信頼は厚い。
ラショーン・トーマス
昨シーズンはKBL蔚山現代モービスフィバスのエースとして活躍。出場1分当たりの効率性を計るスタッツであるPERは26.25と高い数値を記録(Bリーグで置き換えるとペリン・ビュフォードやスコット・イーサトンを上回るトップ10圏内の数値) 。今シーズンに同じくKBLから移籍したアイザイア・ヒックス(三遠ネオフェニックス)の25.4を上回っている。ディフェンス能力も高く、ゴール下を一人で複数人を守ることができると同時に、ショーディフェンスやダブルチームに入るタイミングも素晴らしい選手だ。