ヤニス・アデトクンボ

チェコ指揮官は「よりパスをさばくようになった」とアデトクンボの変化を語る

ユーロバスケット2022は、いよいよベスト8を迎える。開催国ドイツは、ここまで地元の大歓声を背に大会初戦でフランス撃破のアップセットを遂げて勢いに乗ると、そのまま4勝1敗でグループリーグを突破。ベスト16ではモンテネグロ相手に85-79と競り勝ったが、ベスト8で対峙するのはヤニス・アデトクンボを擁する優勝候補の一角であるギリシャだ。

ドイツが勝利するには、ある程度はやられてしまうのは致し方ないとしてアデトクンボをどこまで食い止めることができるかが鍵となる。ギリシャがチェコを94-88で下したベスト16で、アデトクンボは27得点10リバウンド5アシストを記録。チェコはアデトクンボを前半5得点に抑えていたが、後半になって23得点と爆発を許したのが勝敗の大きな分かれ目となっていた。

今大会、ここまで5試合で平均29.0得点、9.2リバウンド、4.0アシストと好調を維持するアデトクンボ対策について、ドイツの指揮官ゴードン・ハーバートはこう語る。「第一にトランジションディフェンスが重要となってくる。第2にヤニスを抑えることができるのか、私にはまだ分からない。明日、少しは対策を取れたらいいと思う。そして、第3に自分たちのプレーをすることだ。世界最高の選手の一人がいる世界最高のチームの一つと私たちは戦うことになる」

ちなみにベスト16でギリシャに敗れたチェコは、ワールドカップ2019でギリシャと対戦した時、アデトクンボを12得点に抑え4ターンオーバーを誘発していたが、今回はその再現とはならなかった。チェコの指揮官ロネン・ギンズバーグは2019年と2022年のアデトクンボの違いを次のように評している。「彼はより強くなった。そして確かな点として、彼はよりパスをさばくようになっている。これが前回のワールドカップの時との違いだ」

より強靭なフィジカルを生かしたアタックに加え、味方を生かす術にも磨きをかけているアデトクンボをどこまで抑えることができるのか。ドイツの戦略にも注目していきたい。