ルカ・ドンチッチ

オリンピックで敗れたフランスへのリベンジに成功

ユーロバスケット、グループBの最終節でスロベニア代表とフランス代表、優勝候補同士の対戦が行われた。この試合で圧倒的なパフォーマンスを見せたのがルカ・ドンチッチだ。前半だけで27得点を挙げ、前半終了間際に相手選手の肘打ちが頭に入って流血したもののハーフタイムに治療を済ませて戻って来た。

ドンチッチは頭を何針かを縫い、左手の指もテーピングが必要となった。ハーフタイムを治療に充ててコートに姿を見せず、チームメートのエド・ムルチッチは「後半はルカ抜きになるのではないかと不安だった」と明かしている。

それでも後半のドンチッチは全く勢いを落とすことなくプレーし、最終的に47得点7リバウンド5アシストを記録し、チームを勝利に導いた。

ドンチッチだけではない。82-82の同点だった第4クォーター残り1分半からは、相手のハンドリングミスを逃さなかったゴラン・ドラギッチがスティールからのワンマン速攻でリードを奪い返し、次のオフェンスではドンチッチがマークを引き付けてパスを選択。ドラギッチのアシストを受けたブラッコ・チャンチャーがミドルジャンパーを手堅く沈めて突き放す。最後は焦るエバン・フォーニエの持つボールをゾラン・ドラギッチが手で引っ掛け、ゴラン・ドラギッチの速攻に繋げて88-82として、勝利を決定付けた。

スロベニアは昨夏の東京オリンピック準決勝で、フランスに89-90で敗れている。この時のドンチッチはフランスの徹底マークに苦しみ、フィールドゴール18本中5本成功の16得点に留まった。今回はフィールドゴール23本中15本成功、オリンピックでは6本だけだったフリースローを12本得て11本を成功させている。

こうしてフランスへのリベンジを最上の形で成功させたスロベニアは、強豪ひしめくグループBの1位通過を決めた。決勝トーナメントではニコラ・ヨキッチを擁するセルビアとフランスとは準決勝まで、ヤニス・アデトクンボのギリシャ、ドイツやスペインとは決勝まで当たらない山に入ったのは、優勝を見据えた際に非常に大きい。

決勝トーナメント1回戦ではベルギーと対戦するが、2日間の休養日をケガの治療に使える。エースのドンチッチが勢いに乗っており、周囲を固めるメンバーも好調、チームとしてのまとまりもあるスロベニアのユーロバスケット連覇に現実味が増してきた。