デニス・ロッドマン

「俺はプーチンのことをよく知りすぎている」と意味深なコメント

NBA殿堂入りのレジェンド、デニス・ロッドマンが現在ロシアで大麻製品の所持によって勾留されているWNBAスター選手のブリトニー・グライナーの釈放に向けてロシアを訪問予定であることが分かった。ロッドマンは『NBC NEWS』の取材に対し、「あの女の子(グライナー)を助けるため、ロシアに行く許可を得た。今週中には行こうとしている」と語っている。ただ、ロッドマンがどこから許可を得たのかは分かっていない。

グライナーは2月、ロシアの女子プロリーグでプレーするため入国した際、違法である大麻成分を含んだ電子たばこ用カードリッジを所持していたとして空港で逮捕された。その後、裁判で9年の禁固刑となる実刑判決を受け、弁護団が控訴している状況となっている。今後、グライナーをアメリカに帰国させるには、囚人交換といった政治的な取引が必要とも言われている。

そんな中、政権とは関係のないルートで活動するロッドマンについて『NBC NEWS』は「政権がロシア側に重要なオファーを出したのは公の情報であり、確立されたチャンネル以外で交渉することは、グライナー解放への取り組みを複雑化し、妨げる可能性がある」という政府高官の見解を紹介している。

NBA史上に残る名リバウンダーとして名高い、現在61歳のロッドマンは、北朝鮮の最高指導者である金正恩と関係を構築し、過去10年間において同国を何度も訪問している。また、2014年にはモスクワを訪問し、ロシアのウラジミール・プーチン大統領を「Cool」と評したこともある。そして、ロッドマンは「俺はプーチンのことをよく知りすぎている」と語っている。

ロッドマンは過去に北朝鮮で拘束されていたケネス・ベ氏(アメリカ人宣教師)の釈放に貢献したと主張したことがある。後にべ氏はロッドマンが自身の解放の助けになってくれたことに感謝すると、『CNN』のインタビューで振り返っている。

政治家でもないロッドマンにどこまでの影響力があるのか懐疑的であり、そもそもロシア政権側とコンタクトが取れるのかも不透明だ。それでも、もしロシア訪問が実現した場合、少しでも事態が好転する手助けになることを期待したい。