ケビン・デュラント

残留の可能性も、デュラントの要求を受け入れた場合は組織として崩壊の危険性

トレード要求が明らかになるも行き先の決まらないネッツのケビン・デュラントは先日、オーナーのジョー・ツァイと会談を実施。『The Athletic』のシャムス・カラニア記者によると、その席でデュラントはオーナーに対し、あらためてトレードを求めるとともに、自身か指揮官スティーブ・ナッシュとショーン・マークスGMのどちらかを選ぶ必要があると伝えたという。

ネッツはデュラントを引き留めたいのであれば、指揮官とGMを解雇しなければならない。しかし、それを実行した場合、デュラントがスーパースターと言えど、一選手の要求に経営陣が屈したと周囲から受け止められてしまう。デュラントが一番の権力者となっては、組織としてのあるべきバランスが完全に崩壊することになる。一方で、デュラントの強いトレード願望が明らかになることは、交渉において相手チームに足元を見られることにも繋がる。ネッツにとってはデュラントの残留、トレードのどちらを選択にするにしても、より難しい舵取りが求められる状況になりそうだ。

ナッシュは指導者の経験が全くない中、2020-21シーズンにネッツの新ヘッドコーチに就任。初年度はカンファレンス準決勝に進んだが、2年目となる昨シーズンはプレーオフ1ファーストラウンドでセルティックスにスウィープ負けを喫した。この敗戦直後の会見で、デュラントはナッシュを擁護し、「彼の試合に向けたフォーカスの仕方、僕たちに対する情熱を誇りに思う」と語っていた。しかし、現在はナッシュの下でプレーすることを望んでいない様子だ。

マークスは2016年にネッツのGMに就任。ここ数シーズンはデュラント、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンと大物選手を次々と補強するなど辣腕を振ってきた。しかし、昨シーズン途中にハーデンとベン・シモンズの交換トレードを行うなど積極的に動いてきたが結果に繋がっていない。

オーナーのジョセフ・ツァイは「フロントオフィスとコーチングスタッフは私の支持を受けています。我々はブルックリン ・ネッツにとって最善のための決断を下します」と、自身のTwitterで投稿したが、ネッツの選択は果たして。