タイリース・マクシー

ドックの息子、スペンサー・リバース「いつでもどこでも僕が鍛える」

セブンティシクサーズのドック・リバースが『The VC Show』に出演。その中で21歳のタイリース・マクシーがいかにバスケに打ち込んでいるかのエピソードを話した。

NBAキャリア2年目の昨シーズン、先発に定着して75試合に出場、平均17.5得点、3.2リバウンド、4.3アシストを記録したマクシーは、大ブレイクを果たしたにもかかわらず、ほとんど休みを取ることなく3年目のシーズンに備えている。トレーニングキャンプ開始を前に、アシスタントコーチのサム・キャセールやドックの息子でスキルコーチを務めるスペンサー・リバースと一緒にワークアウトを続けている。

その中で1週間のオフを取った際、マクシーはスペンサーに「オフには何をすればいいか」と聞いたそうだ。スペンサーは「ただリラックスすればいい」と答えたのだが、マクシーは「何日間やればいい? 1週間もリラックスして過ごすのは無理だ」と答えたという。身体を休め、気持ちを切り替えることもプロアスリートにとっては重要だが、ハードワークと人間らしさを求めるドックにとって、マクシーの姿勢は好ましいものに違いない。

その少し前には、そのスペンサーが『NBC SPORTS』にマクシーとの関係について語っている。「彼がルーキーだった年はまだプレータイムが少なかったから、朝も夜も練習に付き合った。2人だけで1on1をやるんだ。僕は彼のために24時間態勢で準備している。彼がやりたいと思ったなら、いつでもどこでも僕が鍛える。タイリースにはすごくやる気があるし、NBAで本当に良い選手になれると思う。その可能性を妨げたくはないんだ」

マクシーの成長は3ポイントシュート成功率に顕著で、1年目の30.1%から昨シーズンには42.7%へと向上した。サム・キャセールは「タイリースの一番の武器はスピードだ。ピック&ロールで相手がアンダーで守った時に3ポイントシュートを決めれば、相手は前に出るしかない。それで彼のスピードはより生きるようになる」と語る。

そして今のマクシーはミドルレンジのシュート向上に取り組んでいる。『ゴール下か3ポイントシュート』の今のトレンドに逆行するが、キャセールはマクシーが一流の選手に成長するにはミドルレンジが必要だと確信している。

「プレーオフやファイナルの試合を見ればミドルレンジがいかに有効かが分かる。素晴らしいミドルレンジシューターであるカイリー・アービングがデータを気にするだろうか? ケビン・デュラントもそうだろう。プレーオフの後半にどう点を取るか。相手ディフェンスが1番から5番までオールスイッチで対応してくる時にどう点を取るかが大事なんだ」

「今は私が現役時代に習得したミドルレンジゲームを教えている。レイアップ、3ポイントシュート、ミドルレンジ。3段階の得点力を身に着ければ、タイリースは特別なプレーヤーになれるよ」

新シーズンのシクサーズでは、プレーメークの多くをジェームズ・ハーデンが担うことになる。マクシーの役割はそれに伴い変わるだろうが、ハーデンとコンビを組むことが良い経験になるのは間違いない。スペンサーはこの2人がすでに意気投合し、マクシーはハーデンと一緒に練習するためにヒューストンに行き、先日はハーデンがスペンサーのところまで来て、マクシーとワークアウトを行ったことを明かしている。今シーズンのセブンティシクサーズでは、このバックコートコンビに注目すべきだ。