「僕がトレーニングしている時、彼らは寝ている」
昨シーズンのセブンティシクサーズはプレーオフファーストラウンドこそ危なげなく突破したものの、直近5年間で4度目となるカンファレンスセミファイナル敗退に終わり、停滞している印象は否めなかった。
その中でも明るい話題だったのがタイリース・マクシーの成長だ。2020年ドラフト全体21位指名の彼は、1年目こそ61試合に出場し、平均プレータイム15.3分で8.0得点、2.0アシストと脇役の一人に過ぎなかった。しかし、2年目の昨シーズンは、開幕からチーム合流を拒否していたベン・シモンズの穴を補うかのように中心選手として大きくステップアップし、レギュラーシーズンは先発74試合を含む75試合出場で平均プレータイムも35.3分まで伸び、17.5得点、4.3リバウンドを記録。さらにプレーオフでは全12試合先発でチーム最長の平均プレータイム40.4分で、ジェームズ・ハーデン(18.6得点)を上回る平均20.8得点、3.9アシストを挙げ、中心選手としてフル稼働した。
ジョエル・エンビードに続く、生え抜きの若きスターとして大きな期待を寄せられている21歳のマクシーは、今オフもさらなるレベルアップへ意欲的だ。『The Hoop Genius』の取材で、平日は毎朝5時に起床し、6時からワークアウトを実施していることを明かし、その理由をこう語った。
「6時から、まずはバスケットコートでワークアウトを行う。それが終わるとウエイトトレーニングだ。その後はまたコートに戻って11時までに3つのワークアウトをこなす。朝早くから始めるのは、相手に対して心理的なアドバンテージを与えてくれるからだ。僕がトレーニングしている時、彼らは寝ているし、僕のようにハードにやっていないのは分かっている。そのことをアドバンテージにできるからね」
今オフはハーデンの残留が決まり、トレーニングキャンプからチームと一緒にトレーニングをして開幕を迎える。エンビード、ハーデン、そしてマクシーの連携が深まることで、このビッグ3がどんな化学反応を見せてくれるのか楽しみだ。