ルディ・ゴベア

古巣ジャズに対し「感謝している」

現地7月6日、ティンバーウルブズはルディ・ゴベアの入団会見を行った。

ウルブズは先日、ジャズとのトレードで、パトリック・べバリー、ジャレッド・バンダービルド、マリーク・ビーズリー、リアンドロ・ボルマロ、今年のドラフト22位指名のウォーカー・ケセラーの5選手に加え、プロテクトされていない2023、2025、2027年のドラフト1巡目指名権、トップ5がプロテクトされた2029年のドラフト1巡目指名権、そして2026年のドラフト指名権交換権と引き換えに、ゴベアを獲得した。

現在30歳のゴベアは2013年にジャズに入団して以降、9シーズンを過ごし、6年連続でオールディフェンシブファーストチームに選出され、3度の最優秀守備選手賞を受賞しているリーグ屈指のリムプロテクターだ。昨シーズンは平均15.6得点、フィールドゴール成功率71.3%、14.7リバウンドと3部門でキャリアハイを更新し、2.1ブロックを記録した。

昨シーズンまでナゲッツのバスケットボール運営部長を務め、今シーズンからウルブズの運営部代表に就任したティム・コネリーは会見で、「彼が私たちの何かを阻害することはない。彼は今の私たちをより良くしてくれる」とゴベアについてコメント。

そのゴベアは「僕はTwitterを見ているから、ミネソタのファンからあまり好かれていないことを知っている(笑)。それにウルブズのヘッドコーチ、クリス・フィンチが僕のスクリーンのセットの仕方について、定期的に文句を言っているのも聞いた」と明かした上で、「今は僕も同じ側にいる。だから楽しみにしているよ」と語った。すると、指揮官フィンチも「彼はこのチームに完全にフィットすると思う」と返答した。

会見では、記者から「なぜ、ジャズが君をトレードしたと思う?」と問われると、ゴベアは「良い質問だね。間違いなく、クイン(スナイダー)を失ったことが大きい。彼は8年間もユタにいたんだ」と答えた。

スナイダーは25勝57敗と大きく負け越した2013-14シーズンの翌年からジャズの指揮を執り、3年目の2015-16シーズンに51勝31敗を挙げてプレーオフに初めて進出した。それ以降、6シーズン連続でプレーオフに出場するなど、チームを西の強豪へと復活させた。しかし、プレーオフではいずれもカンファレンスセミファイナルを突破することができなかった。

ゴベアは「勝つための扉がいつも大きいとは限らない」と続けた。「ジャズは組織として、過去数年間、開いていた扉を通り過ぎてしまった感じがした。ジャズはすごく競争力があるチームになると思う。ただ、僕にかかる資産を考えると、トレードする方が良いと判断したんだと思う。僕としても、これはWIN-WINになる可能性があると思っている。ジャズは、僕が勝てるように素晴らしい状況に置いてくれたんだから、感謝しているよ」

これまでもゴベアのトレードの噂はたびたび浮上していたが、彼が「感謝している」と言うように、険悪なムードでのトレードではないようだ。ジャズのオーナー、ライアン・スミスも「永遠に我々の一部だ」とゴベアへの感謝を語っている。「NBA史上、最も偉大なディフェンシブプレーヤーの一人であるルディは、ジャズのユニフォームを着た最も重要な選手の一人として、永遠に見なされる」

そして、ゴベアは「目標はチャンピオンシップに勝つこと」とウルブズでの目標を語った。「僕はそのためにここに来たんだ。良いチームになるためだけに、ここに来たんじゃない。このチームをファイナルに連れて行く。それを成し遂げるために、ここに来た」

昨シーズンのウルブズは開幕前の予想を裏切り、4年ぶりにプレーオフ進出を果たした。今回のトレードで複数の選手とドラフト指名権を放出したが、グリズリーズから獲得したカイル・アンダーソン、カール・アンソニー・タウンズ、そしてゴベアと、破壊力抜群のフロントコート陣を揃えることに成功した。また、バックコート陣にはディアンジェロ・ラッセル、アンソニー・エドワーズを擁しているだけに、2022-23シーズンのウルブズのさらなる飛躍が期待される。