ザイオン・ウイリアムソン

22歳の誕生日に延長契約を結ぶ「ペリカンズがこの誕生日プレゼントをくれた」

現地7月6日、ペリカンズはザイオン・ウイリアムソンと複数年の延長契約を結んだことを発表した。チームの方針により、契約条件は明らかにされていないが、『ESPN』はルーキー契約のマックス額となる5年1億9300万ドル(約260億5500万円)となり、2022-23シーズンにオールNBAチーム入りを果たせば総額2億3100万ドル(約311億8500万円)になる可能性があると報じている。

ペリカンズのバスケットボール運営部エグゼクティブバイスプレジデントのデイビッド・グリフィンは「ザイオンは驚くような才能を持った22歳で、まだコート内外で彼ができることの一部しか見せていないと信じている」と声明を発表。

かつてはザイオンが移籍を希望していることやペリカンズとの関係悪化などの噂が流れたこともあったが、グリフィンはあらためて「彼は逃げ道を探していたわけじゃない」とコメントした。「ザイオンは、この組織に同じレベルでコミットメントしたかったんだ。彼の家族は、地域社会ともっとかかわる方法を探していた。これは人間として普通のことだ」

2019年のドラフト全体1位指名でペリカンズに入団したザイオンは、ルーキーシーズンは24試合の出場に留まったものの、2年目は61試合に出場し、平均33.2分のプレータイムで27.0得点、7.2リバウンド、3.7アシストを記録。持ち前のパワーと機動力を発揮して、ドラフト全体1位指名の実力を証明した。しかし、昨夏に右足を骨折した影響で3年目となる2021-22シーズンは全休となっていただけに、彼の延長契約がどうなるかは注目が集まっていた。

延長契約を結んだ日、ザイオンは先日からニューオリンズのYMCAで開催している青少年を対象としたサマーキャンプに参加していて、約80人の子供たちの前で彼は契約書にサインをした。また、7月6日はザイオンの22歳の誕生日でもあり、彼にとって素晴らしい一日となった。

ザイオンは「家族、YMCAに感謝したい。ニューオリンズの街、特にベンソン夫妻(球団オーナー)に感謝したい。僕を信じてくれてありがとう」と感謝を語った。「僕のような子供に、自分の力を発揮する機会を与えてくれた。できればチームに優勝をもたらす手助けをしたい。この一年間、僕に付き合ってくれてありがとう」

こう語ると、ザイオンはケガでプレーできなかった昨シーズンを振り返った。「去年の誕生日に足を骨折していることが分かって、一年間ずっと休んでいた。タフな一年だったよ。でも、ペリカンズがこの誕生日プレゼントをくれた。彼らを失望させたくない。家族も、この街もガッカリさせるつもりはない。そして一番重要なのは、自分自身を失望させないこと」

また、周囲の雑音に対して心を痛めていたことも明かした。「僕は足が折れていたからプレーできなかった。携帯電話をチェックするたびに、ネガディブな情報が入ってきた。状況をポジティブにとらえようと思ったけど、すごくキツかった」

しかし、リハビリに励んだことで5月中旬には制限なしでのプレーが可能になり、今は2022-23シーズンに向けての準備を始めている。ザイオンは「僕は勝者であることを証明したい」と意気込んだ。「それはとてもシンプルなことで、僕はコーチやチームメートと一緒に勝ちたい。最大の目標は優勝することで、それこそ僕たち全員が目指していることだ。僕たちはハングリーだからね」

昨シーズンのペリカンズはザイオンが全休したにもかかわらず、プレーイン・トーナメントを経て4年ぶりのプレーオフ進出を果たした。昨シーズン途中にトレードで加わったCJ・マッカラム、そしてブランドン・イングラムとザイオンのトリオが揃ったペリカンズの新シーズンに期待したい。