カニングハムを含めた面白いガードトリオが誕生
ドラフト5位でジェイデン・アイビーを指名したピストンズは、ホーネッツが13位で指名したジェイレン・デューレンをトレードで獲得しました。実質的にジェレミ・グラントとのトレードで手に入れた形となり、ガードとセンターにポテンシャル溢れる若手を加えたドラフトは大成功だったと言えます。
この3年間でロスターを大きく入れ替えているピストンズですが、ディフェンス力のある選手を重視しており、マンマークの強いアイビーとリムプロテクト力のあるデュ―レンは、チームカラーに沿った指名でした。ポジションレスに守れ、フルコートを走り回れる運動量も持つ若手を増やしたことで、ハードなディフェンスからのトランジションアタックの回数が増えることが期待されます。
ピストンズは昨年のドラフト1位で指名したケイド・カニングハムが、ルーキーシーズンの1年間でチームをガラっと変えてくれました。スタッツには現れない多大なる影響力を発揮するリーダーとしてチーム全体を繋ぎ合わせてくれるため、他の選手は個々の仕事に集中することができます。アイビーとデューレンは得意なプレーを発揮してくれれば、自ずとチーム力がアップします。
プレーメイク能力も持ち合わせるものの、ターンオーバーの多さが欠点として挙げられていたアイビーですが、ピストンズではカニングハムとキリアン・ヘイズがゲームメイクを担ってくれるため、チーム全体の事を考えすぎる必要はなく、自分の役割に集中しやすい環境です。突破力に優れるだけでなく、オフボールムーブからのシュート能力もあり、スコアリングリーダーとしての活躍を求められることになりそうです。ヘイズとはポジション争いのライバルにもなりますが、コンビとしても機能しそうなだけに面白いガードトリオが揃いました。
運動能力に溢れ、ウイングスパンが226㎝もあるデュ―レンは、サイズとスピードを生かしてインサイドでの確実なフィニッシュが求められます。ドライブアタックを中心にオフェンスを作ってきたピストンズですが、ゴール下のフィールドゴール成功率がリーグで下から3番目と悪く、チームとして形ができてきても得点力アップに繋がらないシーンが多くありました。デュ―レンは同じタイプのアイザイア・スチュワートとポジション争いを繰り広げながら、チームの弱点を解決するのが仕事になります。
ピストンズはフリーエージェントでディアンドレ・エイトンを狙っていると噂されていましたが、デュ―レンの獲得によりその可能性は低くなりました。一方でグラントが抜けたウイングの補強はしておらず、大きく空いているサラリーキャップを活用して大物を獲得することも可能です。フリーエージェントやトレードで更なる戦力アップが期待できるだけに、まだまだオフの話題を振りまいてくれそうです。